京阪電車の中書島駅の近くを流れる宇治川派流は、春になると川沿いのソメイヨシノが花を咲かせます。
京都市中心部から離れているせいか、植えられている桜が多いのにお花見に訪れる観光客の方は、比較的少なめです。
私が訪れた4月5日も、ほとんど観光客の方がいなかったので、遊歩道をのんびりと歩きながら桜を観賞することができました。
江戸時代の景色が残る宇治川派流
宇治川派流は、安土桃山時代に豊臣秀吉が伏見城の築城にあたり、資材を運ぶために宇治川の流路改修工事によって造られたものです。
桜を見るために長建寺の近くにある弁天橋付近から川沿いの遊歩道に下ります。
ここは、十石舟乗り場となっています。
川には無人の舟が待機していました。
十石舟乗り場から川沿いを歩いて行くと、酒蔵が見えてきます。
伏見は、月桂冠や黄桜といった酒造メーカーがあり、昔からお酒が有名な町で、酒蔵が並ぶ景色は、江戸時代から残るものだそうです。
しばらく川沿いの遊歩道を進み、京橋へ到着。
京橋近くには、いつの間にか坂本竜馬とお竜の像ができていました。
坂本竜馬は、薩長同盟を締結させた直後に京橋近くの寺田屋で伏見奉行所の役人に捕えられそうになります。
その危機を救ったのが、後に竜馬の妻となるお竜です。
負傷した竜馬は、伏見の薩摩藩邸にかくまわれ、その後、傷を癒すためにお竜とともに九州に新婚旅行に出かけました。
上の像が建てられたのは、2011年9月のようです。
竜馬とお竜の像の近くに植えられている枝垂れ桜は、まだつぼみの状態でした。
この様子だと見ごろは4月10日以降になりそうですね。
宇治川派流沿いの遊歩道をさらに進んでいくと、両岸にたくさんのソメイヨシノが植えられた一帯が現れます。
この辺りは、日当たりが良いのか、他の場所に植えられているソメイヨシノよりも開花が進んでいました。
3分咲きから5分咲きといったところでしょうか。
出合橋の上から眺めると、開花状況がよくわかります。
曇っていたせいで、写真が少し暗くなってますね。
この付近のソメイヨシノの見ごろは4月8日頃になりそうです。
出合橋の近くには、京都市中心部と伏見をつなぐ高瀬川を開削した角倉了以(すみのくらりょうい)の記念碑が置かれていました。
写真だと小さく見えますが、人の背よりも高さがあります。
のんびりと歩きながら桜を観賞しようと思うなら、宇治川派流の遊歩道はおすすめですよ。