京都市右京区の花園に今宮神社という神社が建っています。
今宮神社と聞くと、北区の大徳寺の近くに建つ今宮神社を想像される方が多いと思いますが、今回紹介するのは、その今宮神社ではありません。
疫病を鎮めるために創建
右京区の今宮神社は、JR花園駅から北に3分ほど歩いた辺りに建っています。
ちなみに近くには法金剛院があります。
入口の鳥居は、石造りです。
左右に置かれた灯籠は、柵で覆われていました。
誰かが悪戯するのでしょうか。
今宮神社の創建は、長和4年(1015年)で、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祭神とする御霊社です。
この年に疫病が流行したため、それを鎮めることが目的で創建されました。
北区の今宮神社も同じような理由から創建されました。
北区の方は、正暦5年(994年)に都で疫病が流行した際、一条天皇が船岡山に神輿をあげて御霊会(ごりょうえ)を催したのが起源です。
両社とも、疫病を鎮める目的という点で共通しており、創建年代も近いですね。
静かな境内
鳥居をくぐって境内に入ります。
私が訪れた時は、人が全くおらず、静かでした。
境内の建物は少なく、面積の割には広々と感じます。
本殿は、境内の北側に南向きに建っています。
周りを木々が囲んでいます。
今宮神社の本殿が建立されたのは、寛永21年(1644年)のことです。
創建されてから700年近くも経って本殿が造営されたとは考えにくいので、おそらく、以前にあった建物を再建したんでしょうね。
上の写真ではわかりにくいですが、屋根の前方が長くのびている流造となっています。
当社は、後に仁和寺の鎮守社となり、仁和寺第21世覚深法親王が徳川家光の援助を受けて、本殿が建てられました。
この時期、徳川家光は仁和寺の再興にも援助しているので、今宮神社の本殿の造営は、その一環と考えられています。
現在、今宮神社は、花園、安井一帯の産土神(うぶすながみ)として信仰されています。
京都には、今宮神社と同じように同名の神社がいくつかあります。
例えば、若宮八幡宮は、下京区と東山区の両方に建っています。こちらは、以前に以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。
右京区の花園を散策する際には、今宮神社にも立ち寄ってみてください。
ついでに北区の今宮神社もあわせて参拝してみてはいかがでしょうか。近くには、名物のあぶり餅屋さんもありますよ。