京都市西京区の阪急上桂駅から西に15分ほど歩くと、通称、竹の寺と呼ばれる地蔵院に到着します。
もちろん、きれいな竹が生えているのが、地蔵院の特徴です。
竹がより美しく見える時期はいつなのかと考えたところ、5月から8月ではないかと自分の中で結論が出たことから、6月上旬の梅雨時に参拝することに。
新緑に調和した竹の道
地蔵院は住宅街の中に建っていますが、一角だけたくさんの竹が生えている場所があるので、それほど迷わずに入り口に辿り着きます。
入り口付近のカエデは深い緑色。
総門をくぐった左手に拝観受付があるので、そこで500円納めて、境内に入ります。
細長い道の両脇には、無数に竹が生えていて、まるで壁のようです。
竹に挟まれた道は、ゆっくりと歩くのがおすすめ。
この道を歩いていると、体がひんやりと感じるので、地蔵院に来るまでにかいた汗が、少しずつ乾いていくのがわかります。
竹の道を進むと、その奥に建つ地蔵堂が姿を現します。
地蔵堂は地蔵院の本堂で、昭和10年(1935年)に再建されたものです。
中には、最澄作と伝えられている本尊の地蔵菩薩が祀られています。
それでは、地蔵菩薩にお参り。
地蔵堂の手前に植えられているカエデの葉は、鮮やかな緑色。
総門前のカエデよりも日当たりが良いからなのでしょうか。
地蔵院は、北朝の貞治6年(1367年)に細川頼之によって創建されました。
頼之の子孫には、応仁の乱の東軍の大将の勝元、戦国時代に数奇な運命をたどったガラシャの夫の忠興などがいます。
細川護熙元首相も細川家の子孫として有名ですね。細川元首相も地蔵院に訪れたことがあるそうですよ。
撮影禁止の庭園
地蔵堂にお参りをした後は、境内の東側にある庭園へ。
もちろん庭園の写真も撮るつもりだったのですが、庭園の入り口前には、撮影禁止の立て札が。
以前から撮影禁止だったのかどうかわかりませんが、最近、拝観者のマナーの悪さから撮影禁止になっているお寺が増えているそうです。
写真を撮る時は、お寺や他の参拝者の方に迷惑にならないようにしないといけませんね。
写真を撮ることができなかったので、庭園については、文章だけで紹介します。
庭園は、方丈という建物内から鑑賞します。
建物内には、絵や書などの宝物が展示されています。
地蔵院の庭園は、平庭式枯山水庭園で、十六羅漢の庭と呼ばれています。
地面には、びっしりと苔が生えていて、きれいに刈り込まれたサツキには、少しだけ赤い花が咲いていました。
庭のあちこちにいくつも石が置かれています。
この石は、羅漢が修行している様子を表現したものだとか。
どの石も南東の方角を向いて置かれているのですが、これは、その方角に建っている八幡市の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)に願をかけているからだそうです。
庭の中央よりやや手前には、椿が植えられています。
この椿は、3月上旬に見頃を迎えるそうです。
庭園自体は、あまり広くなく、地味な感じです。
なので、派手な庭園が好きな方には物足りないかもしれませんね。
30分ほど縁側に座ってのんびりと庭園を鑑賞できたので、満足だったのですが、ただ、撮影禁止にもかかわらず、何枚も写真を撮っている方がいたのが残念でした。
新緑と苔
庭園に入る時は気付かなかったのですが、庭園入り口から地蔵堂に続く細い道の両脇の苔と新緑がなんともきれいでした。
この時期の苔の色は、目に優しいですね。
境内を一通り散策したので、再び、竹の道を通って、地蔵院を後にしました。
地蔵院を出た後、以前にもこのような竹の道をどこかで見たような気がしました。
そう言えば、この景色は、嵯峨野の竹林の道に似ていますね。
嵯峨野の竹林には、上桂駅から2駅目の嵐山駅で下車して、徒歩20分ほどで行くことができますので、地蔵院の参拝後に訪れてみても良いですね。
なお、地蔵院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。