京都府と大阪府の境に位置する大山崎町には、天王山があります。
大山崎町の観光というと、この天王山に登ることとなるのですが、頂上まで行くのは結構大変です。
とても、軽い気持ちで登りきることはできませんね。
そうすると、ふらっと出かけて大山崎町を観光するのは無理なのかというと、そんなことはありません。
少しは天王山に登る必要はありますが、気軽に訪れることができる観光名所が5ヶ所あります。
そこで、今回の記事では、その5ヶ所の名所を紹介します。
1.妙喜庵
JR山崎駅を出ると、左手に妙喜庵という小さな建物があります。
妙喜庵は、室町時代に連歌師の山崎宗鑑が隠居所として建てました。
建物内には、山崎の戦い(1582年)の後に千利休が造った草庵風茶室の待庵があります。
待庵は、唯一千利休が残した茶室と伝えられています。
2.離宮八幡宮
JR山崎駅から南西に少し歩くと離宮八幡宮に到着します。
平安時代に離宮八幡宮の神主がエゴマを絞り油を採って以来、長い間、当社の神人(じにん)が独占的に油を製造し、販売してきました。
そのため、中世においては、大山崎は油の代名詞となったほどです。境内には、当社と油が深い関係にあったことをうかがわせる油祖像が立っています。
他にも境内には、相応寺の三重塔の心礎と伝えられている「かしき石」や菅原道真が太宰府に流される途中、腰をかけたという石もあります。
3.大念寺
離宮八幡宮に参拝した後は、JR山崎駅に戻り、そこから天王山登山口へと向かいます。
天王山を登って、最初に目にするのは大念寺です。
大念寺は、それほど大きなお寺ではありませんが、本堂には鎌倉時代に造られた阿弥陀如来立像が安置されています。
ちなみにこの阿弥陀如来は、重要文化財に指定されています。
4.宝積寺
大念寺を出て、10分ほど山を登ると宝積寺(ほうしゃくじ)に到着します。
宝積寺には、見るものがたくさんあります。
門の左右に立っている金剛力士像、良縁成就の待宵の鐘、一夜之塔と呼ばれる三重塔、閻魔大王の像、縁結びの桜、秀吉出世石など、興味深いものばかりです。
本堂横の大黒天にもお参りしておくと、良いことがありそうです。
5.観音寺
天王山に登って行くのは、宝積寺までです。
最後は、東にしばらく歩き、観音寺へ向かいます。
観音寺の境内に入るには、急な石段を上らなければなりません。
この石段が一番の難所です。
境内は、非常に静寂な空間となっているので、散策の疲れを取るための休憩にちょうど良いです。
観音寺は、三井、鴻池、住友などの大商人から篤い信仰を集めていたそうです。
商売繁盛を祈願するなら、訪れておきたいお寺ですね。
観音寺の近くには、大山崎瓦窯跡もあるので、ついでに見ておきましょう。
ここからは、平安時代の瓦や窯が出土したそうです。
大山崎町は、油や瓦など、昔は産業が発達した地だったんですね。
以上が、大山崎町の気軽に訪れることができる5ヶ所の観光名所です。
この他にも大山崎山荘美術館が大念寺の近くにあるので、興味がある方は拝観しても良いですね。
また、体力に自信がある方は、天王山の山頂まで登ってみてください。
山頂に行く途中には、所々に「秀吉の道」という物語が書かれた壁もありますよ。