京都の観光名所で1番人気の清水寺に訪れる時、気持ちが高ぶって、ついつい早歩きで入口まで行ってしまいそうになります。
観光客の方の中にも、ただまっすぐに清水寺に向かっているように見える方もいらっしゃいますね。
清水寺に行く道には、たくさんのお店があるので、お土産なんかをじっくりと見ていくだけでも京都の風情を楽しむことができます。
また、この辺りには興味深い寺社がいくつかあるのですが、清水寺のことを考えていると、うっかり素通りしてしまいそうになります。
そこで、今回の記事では、国道1号線から清水寺に向かう途中にある素通りしてしまいそうな寺社を3つ紹介したいと思います。
若宮八幡宮
まず、最初に紹介するのが若宮八幡宮です。
若宮八幡宮は、京阪電車の清水五条駅から、東に500メートルほど歩いた場所に建っています。
天喜元年(1053年)に源義家の父である頼義によって創建されました。
以前は、他の場所に建っていたそうですが、江戸時代初期に当地に移ってきています。
若宮八幡宮の見どころは、上の写真に写っている本殿です。
この本殿は、京都では珍しい三間社流造(さんげんしゃながれづくり)という様式で造られています。
流造とは、屋根の庇(ひさし)を後ろよりも前が長くなるように造る技法です。
流造は、多くの神社で採用されている技法なので、それほど珍しくはないのですが、若宮八幡宮の本殿は、前室が付いている点で一般的な流造とは異なっています。
三間流造は、滋賀県で多く見られるそうです。
大谷本廟
次に紹介するのは、大谷本廟です。
大谷本廟は、若宮八幡宮を過ぎて、五条坂にさしかかったところに建っています。
大谷本廟は、浄土真宗の開祖である親鸞と本願寺歴代宗主の廟所です。
境内に入るには、円通橋と呼ばれる橋を渡るのですが、この橋は、通称めがね橋と呼ばれています。
円通橋は、2つのアーチをくっつけたような形になっていて、横から見ると昭和のコントで出てくるようなめがねの形をしています。
ただ、橋を渡るだけでは、めがねの形をしていることに気付かないので、必ず横から見るようにしてください。
安祥院
最後に紹介するのは安祥寺です。
大谷本廟から五条坂を200メートルほど上ると到着します。
安祥院は、日限地蔵(ひぎりじぞう)とも呼ばれています。
参拝者が、自分で日数を決めて祈願することができるところから、そのように呼ばれるようになったそうです。
本尊の阿弥陀如来像は、京都六阿弥陀仏のひとつとされています。
以上が、清水寺に向かう途中にある3つの興味深い寺社です。
いずれも気軽に入ることができるので、坂道を上る途中の休憩もかねて訪れてみてはいかがでしょうか。