毎年8月22日と23日には、京都の6ヵ所のお寺で六地蔵巡りが行われます。
その6ヵ所のお寺とは、伏見区の大善寺、山科区の徳林庵、北区の上善寺、鳥羽の恋塚浄禅寺、西京区の地蔵寺、右京区の源光寺です。
この6ヵ所のお寺を巡ると家内安全や無病息災といった功徳があるのですが、それぞれのお寺は離れすぎています。
なので、全部のお寺を廻りたいけど、時間がないという方も多いことと思います。
そんな方は、智恵光院に訪れてみるといいでしょう。
六地蔵巡りとは
まずは、六地蔵巡りを簡単に説明しておきます。
平安時代、小野篁(おののたかむら)という人物がいました。
篁は、不思議な伝説を残している人物で、夜になると六道の辻から冥土の閻魔大王の元へ通っていたとも伝えられています。
ある時、篁は息絶えてしまったのですが、冥土で生身の地蔵菩薩に拝して蘇り、その後、一木から六体の地蔵を刻み、伏見区の大善寺に安置しました。
それから年月が建ち、保元年間(1156-1159年)に平清盛が西光法師に命じて、一体は大善寺に残し、五体を京都に通じる5つの主要街道の入り口に分置させました。
それ以降、この六地蔵を巡る風習が生まれ、8月22日と23日に六地蔵巡りが催されるようになったのです。
六地蔵巡りの詳しい説明は、「わたしの青秀庵」さんの京の六地蔵巡りのページに掲載されています。各お寺の情報も細かく紹介されているので、大変参考になりますね。
2014年1月1日追記:上記ページは閉鎖しています。
智恵光院の六臂地蔵尊
このページの最初の方でも述べましたが、六地蔵巡りは、それぞれのお寺が離れたところに建っているので、全て廻るのには時間がかかります。
しかし、智恵光院に訪れると六地蔵全てを廻る必要がありません。
智恵光院は、京都市上京区の智恵光院通沿いに建っています。
智恵光院に訪れるとどうして六地蔵を巡る手間が省けるのでしょうか。
それは、境内の地蔵堂に安置されている六臂地蔵尊(ろっぴじぞうそん)に秘密があります。
六臂地蔵尊は、仏教で死後いずれかに転生するとされる地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道の全てを救う力を一体の像に込めて、小野篁が一刀三礼で彫り上げた6本の腕を持つ地蔵尊です。
すなわち、この六臂地蔵尊を拝めば、六地蔵を全て廻らなくても大きな功徳が得られるとされているのです。
六地蔵巡りをしたいけど、時間がないという方に智恵光院は、最適なお寺ですね。
なお、「ノンさんのテラビスト」さんの京都・智恵光院の地蔵盆の記事で、智恵光院周辺の地蔵盆の様子が紹介されていますので、ご覧になってみてください。
智恵光院の見どころ
智恵光院の境内には、立派な枝垂れ梅が植えられています。
枝垂れ梅は、2月下旬に見頃を迎えるので、六地蔵巡りとは全く正反対の季節となってしまうのですが、智恵光院の見どころの一つです。
北野天満宮の梅花祭を拝観した後に訪れるといいでしょう。
他にも獅子頭守護石という大きな石が境内に置かれています。
確かに獅子が左上を眺めているように見えます。
智恵光院は、住宅街に建っていますが、なかなか興味深いお寺ですので、一度訪れてみてください。
なお、智恵光院の詳細は、以下のページを参考にしてみてください。