その広い京都市の交通の中心と言えば京都駅ですが、地理的な中心と言えば中京区に建つ六角堂と言われています。
へそ石
六角堂は、地下鉄烏丸御池駅から徒歩約3分ほどの場所に建っています。
烏丸御池駅は、京都の中心部を走る地下鉄の烏丸線と東西線が交わる駅なので、この近くに建つ六角堂が京都の中心というのもうなずけますね。
六角堂の創建は古く、聖徳太子が建てたと伝えられています。
六角堂の創建については、下記ページを参考にしてみてください。
六角堂の境内には、へそ石と呼ばれる六角形の石があります。
このへそ石が、京都のど真ん中だそうです。
ところで、へそ石は、京都の中心を示すために造られたのでしょうか。
その昔、桓武天皇が都を京都に遷す際、六角堂のお堂が通りにかかっていて、都の造営ができませんでした。
そのため、六角堂を壊そうと考えたのですが、聖徳太子が建てたお寺を壊してしまうのは惜しいので、何とか壊さずにしたいとも思いました。
そこで、桓武天皇が本尊の観音像に祈ったところ、通りの造営の邪魔にならないように六角堂が北に自ら動いたそうです。
その際、六角堂の礎石だけが元の位置に残り、それが現在では、へそ石と言われてます。
実際には、六角堂が勝手に動いたということは考えられないので、人の手によって動かされたのだと思います。
十六羅漢と邪鬼
六角堂の境内は、あまり広くないのですが、へそ石の他にも色々と見るものが多いですね。
本堂の東側に川が流れているような場所があるのですが、そこの岩に小人のような人形がたくさん置かれています。
小人というのは、非常に無礼な言い方で、これらは十六体の羅漢様です。
羅漢様というのは、仏の教えを護り伝える偉いお坊さんの名前のことで、いつもニコニコと笑顔をされているそうです。
いつも優しい顔をして穏やかな口調で話をするように心がけていると良い報いがあるとか。
ちなみに十六は、四方八方の倍の数字を表し、あらゆる場所に羅漢様がいるという意味だそうです。
わかりにくいですが、上の写真の像を数えてもらうと十六体以上の像が置かれていることに気付くかと思います。
実は、羅漢様にまぎれて他の像も混ざっているのです。
それが下の写真の邪鬼です。
邪鬼は、仏教の教えを理解しないひねくれ者のことです。
しかし、六角堂にいる邪鬼は、改心した邪鬼で、羅漢様から仏法を学んでいるそうです。
首をかしげるお地蔵さん
十六羅漢の近くには、首をかしげた小さなお地蔵さんもいらっしゃいます。
合掌地蔵というそうです。
合掌地蔵は、参拝者の願い事が叶うように一緒にお祈りをしてくれているそうです。
見かけは、かわらしいですが、何とも心強いお地蔵様です。
首を傾げたお地蔵様と言えば、他にも一言願い地蔵もいらっしゃいます。
こちらのお地蔵さんは、ひとつだけ願い事を叶えてくれます。
ただし、首をかしげているのは、願い事を叶えようかどうか考えている姿で、願いを聞いていただけるかどうかは、本人の信心次第だそうです。
どこまでも六角形にこだわった建物
六角堂は、その名のとおり六角形をしています。
正面から見ても六角形にはなっていませんが、上から見下ろすと屋根の形が六角形になっているのがわかります。
屋根が六角形かどうかを確かめるためには、六角堂よりも高いビルから見下ろす必要がありますが、なんと隣のビルに展望エレベーターがあって、そこから六角堂を見下ろすことができるのです。
こういった粋な計らいは、観光客にとって嬉しいですね。ビルのオーナーさんに感謝しないといけません。
いざ、展望エレベーターに乗り込み上昇。
少しずつ六角堂の屋根が見えてきます。
そして、7階まで上がると屋根の大部分をみることができます。
7階の高さからだと屋根全体が見えませんが、六角形になっているのは確認できますね。
そして、よくよく境内を眺めていると本堂以外の建物も六角形になっているのに気付きました。
上の写真の右上に写っている親鸞堂の屋根も六角形をしています。
親鸞堂の屋根を拡大したのが、下の写真です。
他にも左の方の池の近くに建つ太子堂の屋根も六角形になっています。
どこまでも六角形にこだわったお寺ですね。
また、六角堂は幸福みくじも有名です。
幸福みくじは、鳩の人形がおみくじを足で持っています。
私は、おみくじを引かなかったのですが、「幸せの蒼い小鳥」さんのごぞんじ?鳩みくじの記事で写真が掲載されていますので、ご覧になってみてください。
境内には、たくさんの鳩がいたようで、その模様も紹介されていますね。
六角堂は、烏丸御池のビジネス街近くに建っているので、出張で京都にお越しになる方でも訪れやすい観光名所です。
仕事の合間にぜひ訪れてみてください。