京都市左京区の松ヶ崎に白雲稲荷神社が建っています。
あまり有名な神社ではないので、ご存知の方は少ないと思います。
私も白雲稲荷神社の存在を知っていたわけではなく、近くに建つ松ヶ崎大黒天にお参りに行ったときに知りました。
訪れた時にわかったのですが、この神社には、由緒ある拝殿が建っています。
山のふもとにある境内
白雲稲荷神社は、地下鉄松ヶ崎駅から東に10分ほど歩くと到着します。叡山電車の場合は、修学院駅から西に徒歩約10分です。
山のふもとに神社の入口の石鳥居があります。
ちなみにこの鳥居を左に進むと松ヶ崎大黒天です。
ここまで来る前にも道路に鳥居が建っていますが、それは松ヶ崎大黒天のものです。
境内は、木々に囲まれていて、まさに神域といった雰囲気です。
境内には、説明書がありますが、詳しい創建年代は記載されていません。
祭神は、稲荷尊、鬼子母神、牛の宮で、安産、火の用心のご利益があるそうです。
稲荷尊を祀っているということは、農業と関係がありそうだと思って、説明書を読んでいくと、この辺りでは、神託により井戸掘りと牛の飼育が禁止されていたとのこと。
そのため、農家では、以前から馬が飼育されており、農業に従事していたということです。
昭和の初期までは、祭の当日に参道で競馬(くらべうま)が行われていました。豊作を占うための行事だったのでしょうか。
また、井戸掘りが禁止されていたということですが、松ヶ崎大黒天の西参道に1ヶ所だけ井戸があり、水道が敷設される大正15年(1913年)まで、この井戸水を農家の生活用水として使っていたそうです。
拝殿
境内に入って最初に目にするのが、下の写真に写っている拝殿です。
この拝殿が、冒頭で述べた由緒ある建物です。
割と簡素な拝殿ですが、実はこの拝殿は、京都御所の能楽殿を下賜され、再建されたものだそうです。
御所から建物を下賜されるということは、朝廷と何らかの関係がありそうですが、詳しいことは説明書には書かれていません。
拝殿をじっくりと見て回っていると、屋根のすぐ下に絵が掲げられているのに気づきました。
ちょっと劣化していてわかりにくいのですが、何やら馬の絵が描かれています。
武者らしき姿も見えますね。
これらの絵も何を意味しているのかは、わかりません。
拝殿の後ろには、石段があり、その上に本殿が建っています。
拝殿と比べると、本殿はとても小さいですね。
しっかりとお参りをして火の用心のご利益を授かっておきましょう。