毎年11月3日は、京都市東山区の八坂神社で舞楽奉納が行われます。
今まで八坂神社の舞楽奉納を観たことがなかったので、一度は鑑賞しておこうと思い、祝日で混む祇園の街を歩いて八坂神社へ向かいました。
3時間に及ぶ長丁場
舞楽奉納が行われるのは正午から。
11時30分には八坂神社の入口の西楼門に到着していたので、最初から舞楽を観ることができそうです。
舞殿の後方では、舞楽の準備が整っていました。
ここからは、神社でいただいた説明書と写真で舞楽の模様をお伝えしていきます。
八坂神社の舞楽は、天延3年(975年)に円融天皇の病気平癒のために勅祭が行われたのが始まりです。
その後、戦乱などで中絶したこともありましたが、慶応元年(1865年)に孝明天皇が再興します。
しかし、明治11年(1878年)に廃止となり、以後は彌榮雅楽会が中心になって毎年奉納するようになりました。
そして、正午となり舞楽が始まりました。
振鉾三節
舞楽の最初は振鉾(えんぶ)です。
振鉾は、最初に舞楽会を清める意味で必ず奉納される序の舞です。
まず橙色の舞人が舞殿に上がり舞を奉納します。
次に緑色の舞人が舞い、最後は2人で舞います。
鉾を手に舞う姿は勇ましいですね。
抜頭
振鉾の次に登場するのは、赤いお面を付けた天狗のような舞人です。
この舞人が舞うのは抜頭(ばとう)。
抜頭は、猛獣に親を殺された子が山野の敵の猛獣を探し、親の仇を討ち、歓喜する姿を模したものと伝えられています。
甘州
橙色の4人の舞人によって奉納される舞は、甘州(かんしゅう)といいます。
甘竹がたくさん生えている湖があったが、その竹の根には毒蛇がいて、竹を切ろうとすると毒蛇の被害に遭うといわれていました。
しかし、この曲を奏して竹を切ると毒蛇の被害から逃れられると伝わっています。
迦陵頻
甘州の次は、迦陵頻(かりょうびん)という舞が奉納されます。
鳥の格好をした4人の子供たちが舞殿に上がり、銅拍子を打ち合わせるなどの舞が行われます。
この舞は、祇園精舎の供養の日に極楽にいるといわれる霊鳥が飛んできて舞った姿を再現したものだとか。
胡蝶
迦陵頻の後も子供たちによる舞が奉納されます。
緑色の2人の子供たちが舞うのは胡蝶。
宇多上皇が子供の相撲を観覧した時に藤原忠房が作曲し、敦実親王が舞を作ったそうです。
五常楽一具
最後は、紫色の衣装を着た4人の舞人による五常楽一具(ごじょうらくいちぐ)という舞が奉納されます。
五常楽一具は、八坂神社の舞楽の中で一番時間が長い舞で、40分ほど行われます。
舞人たちの動きは、ぴったりと合っていて、かなり見ごたえがありました。
長慶子
五常楽一具の後は、演奏だけが行われる長慶子(ちょうげいし)です。
長慶子が終わった後、楽器を演奏していた数十人が退出して、舞楽は終了です。
以上、八坂神社の舞楽奉納を簡単に紹介しました。
終了したのは午後3時前。
途中2回休憩が入りましたが、なんと3時間も舞楽が行われました。
立ち見だったので、足はかなり疲れました。
いや、それよりも3時間も演奏をされていた方たちは、私なんかよりも、かなり疲れていたでしょうね。
ご苦労様でした。
なお、八坂神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。