京都市左京区の北の方に貴船神社という神社があります。
創建時期は詳しく分かっていませんが、1300年前の建て替えの記録が残っていることから、平安遷都(794年)よりも前から存在していたようです。
これだけ古くから存在していた神社ということもあって、今ではどの神社でもみかける絵馬の発祥の地として知られています。
水の神様を祀る貴船神社
貴船神社は、水徳神の高龗神(たかおかみのかみ)を祀っています。
平安時代には、加茂川が御所の御用水であったことから、その最上流にあたる貴船川は都の人々から川上神として崇敬されていました。
ちなみに貴船の地名は、神武天皇の母・玉依姫(たまよりひめ)が淀川から上流に向かって黄船に乗って遡り、たどり着いた場所だったため、今の貴船という地名になったそうです。
当時の京都の人々にとって大切な水が貴船から流れていたわけですから、貴船神社に水の神様を祀ったというのは、納得できますね。
祈雨、止雨のために馬が奉納された
平安時代、水の神様として崇められていた貴船神社は、日照りの時には祈雨、長雨の時には止雨が祈願されました。
そして、祈雨の時には黒馬、止雨の時には赤馬か白馬が奉納されていました。
しかし、毎回、生きた馬が奉納されていたわけではなく、時には板立馬が奉納されることもあったそうです。
この板立馬が今の絵馬の起源なわけですね。
もしも、絵馬がなければ、今でも願い事をする時に生きた馬を奉納しなければならなかったかもしれません。それを考えると板立馬は神社にとってすごい発明だったと言えますね。
貴船神社にお参りに行った時には、絵馬だけでなく、おみくじも引いてみてください。
私がおみくじを引いた時は、何も書いていないただの紙を渡されたと思って、神社の方に取り換えてもらおうとしましたが、よく見ると水に浸すと文字が浮き上がってくるようになっていることに気付きました。
そこで、境内の御神水におみくじを浸すと見事に大吉の文字が浮かび上がりました。
やっぱり、おみくじは大吉が出るとうれしいものですよね。
貴船神社のおみくじの写真は、貴船神社 水占みくじで掲載されています。
2013年4月19日追記:上記ページは閉鎖しています。
また、毎年11月7日には、貴船神社でお火焚祭が行われます。お火焚祭は、火の霊力で人々の罪穢を取り除くお清めの神事です。水の神様を祀る貴船神社で火のお祭りとは変な感じですが、水の神様は火の神様から生まれたという故事が貴船神社に伝わっているとのこと。
「ブログ:ノルマ!!」さんの貴船神社お火焚祭:09秋の記事で写真を交えながらお火焚祭の内容がレポートされていますので、こちらもご覧になってみてください。