5月中旬。
京都府八幡市の御園神社(みそのじんじゃ)に参拝しました。
御園神社は、八幡市の中でも民家が少ない上奈良に鎮座しています。
八幡市の中心部から東の上奈良を含めた地域は田畑が多く、昭和以前の風景が今も残されていますね。
平安時代以前に創建された古社
京阪電車の石清水八幡宮駅(いわしみずはちまんぐうえき)から京阪バスに乗車し、「上奈良」で下車して東に5分ほど歩くと、御園神社の入り口に到着します。
入り口には鳥居が建ち、その前には、「奈良御園神社」と刻まれた石柱があります。
周囲は土地が開けているのに御園神社の境内は、木々が生い茂っており、ちょっとした森のようになっています。
その木々の間を参道が北に向かって延びています。
椿がまだ花を咲かせていましたが、落花が盛んです。
参道脇には、3基の灯籠が並んでいました。
中央は牛頭天王(ごずてんのう)、左は八幡宮と記されています。
右は、読みにくくなっていますが、愛宕の文字が見えます。
なぜか、右の灯籠だけ頭が他と違った形をしていますね。
参道をさらに奥に進むと、木々が少なくなってきました。
本殿近くには、大きな常夜灯も建っています。
境内の最も北側に本殿があります。
本殿の前では、ツツジが咲いていましたよ。
説明書によると、御園神社の創立は不明とのこと。
でも、御園神社神縁紀には延暦6年(787年)に桓武天皇が河内国交野に行幸した際、この里に立ち寄り猟遊していると神託があり、同年10月に大納言藤原継縄に命じて社を建立したと記されているそうです。
祭神は、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)で、奈良春日社から移座したということです。
それでは、本殿にお参りをしましょう。
境内は人がおらず、静まり返っています。
本殿の西側には、朱色の祠がありました。
これは、貴船社です。
水の守護神として祀っているのでしょうね。
その貴船社の近くに鳥居があり、その奥には、樹皮から毛が生えたシュロのような御神木が植えられていました。
この御神木が、どのような理由で植えられたのかはわかりません。
本殿の東側に回ると、八坂社もありましたよ。
こちらは、厄除の神さまとして祀られているのでしょうね。
御園神社は、その後、南北朝の合戦や応仁の乱で炎上しましたが、明応3年(1494年)9月に新殿が造営されたと伝えられています。
現在の本殿は、その擬宝珠の銘より元禄14年(1701年)の建立と考えられており、平成19年(2007年)に京都府指定文化財に指定されています。
八幡市の上奈良にひっそりと建つ御園神社ですが、文化的価値は高いんですね。
境内では、サツキも咲き始めていましたよ。
御園神社には、以前も参拝したことがありましたが、あまり記憶には残っていませんでした。
今回の参拝で、御園神社が平安時代以前から建つ歴史ある社だとわかりました。
同じところでも、何度か訪れることで新たな発見があるものですね。