9月上旬に京都市伏見区の石峰寺に参拝した後、南に5分ほど歩き、宝塔寺にも参拝しました。
宝塔寺は、広い境内を持つお寺なのですが、旅行や観光で訪れる人がほとんどいません。
伏見稲荷大社から歩いて行ける場所にあるのですが、そこから人が宝塔寺に流れてくることは、ほとんどなさそうです。
極楽寺の伽藍石
宝塔寺の最寄り駅は、京阪電車の深草駅です。
駅からは、南東に5分ほど歩くと、宝塔寺の総門の前に到着します。
なお、深草駅は、2019年10月から「龍谷大前深草駅」に改称されます。
四脚門の総門の前には、石畳があります。
その石畳を総門に向かって進むと、旧極楽寺の礎石であった伽藍石が置かれています。
宝塔寺は、藤原基経が発願し、藤原時平によって昌泰2年(899年)に完成した極楽寺が前身です。
宝塔寺が建つ辺りは、極楽寺町といい、往時の名残があります。
伽藍石の近くには、「源氏物語 藤裏葉(ふじのうらば)の苑」と刻まれた石も置かれています。
極楽寺は、源氏物語の第三十三帖「藤裏葉」ゆかりの地でもあります。
日像菩薩
総門をくぐると、石畳が東に向かって長く延びています。
参道をゆっくり歩いて行くと、途中に日像菩薩の石塔が現れます。
極楽寺は、もとは真言宗のお寺だったのですが、徳治2年(1307年)に住持の良柱が、日蓮の法孫日像に帰依し日蓮宗に改宗しました。
日像は、京都に通じる7つの街道に法華題目の石塔婆を建てましたが、そのうちのひとつを日像の廟所に奉じたことから宝塔寺に改称しています。
日像菩薩の石塔は、法華題目の石塔婆のひとつということなのでしょうか。
日像は、康永元年(1342年/南朝の興国3年)に73歳で亡くなり、当所で荼毘し、山腹に葬られたそうです。
参道を進み石段を上ります。
その先には、朱色の仁王門が建っています。
仁王門の真下に来たら上を見ましょう。
美しい花天井絵は、宝塔寺に参拝した時には必ず見ておきたいですね。
仁王門の奥には本堂が建っています。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
本堂の前には、赤ちゃんを抱いた慈母観世音菩薩がいらっしゃいます。
とても背が高い観音さまで、表情は涼しげであります。
本堂の裏には、七面山があり、山頂には七面宮が建っているのですが、私が訪れた日は、9月だというのに夏の暑さが厳しかったので、七面山には上りませんでした。
本堂の北側に建つ門には、何やら鳥の絵が描かれていました。
今まで何度か宝塔寺に参拝していますが、この鳥には気付きませんでしたよ。
初秋の宝塔寺は、暑さは厳しかったものの、訪れる人が全くおらず静かにお参りできました。
この後は、南に3分ほど歩き、瑞光寺に参拝しました。
なお、宝塔寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。