京都市右京区に木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)という神社が建っています。
あまりに長い名なので、木島神社(このしまじんじゃ)と呼ばれることがありますが、それでも、聞いたことがない人が多いと思います。
木島神社には、他にも蚕(かいこ)の社(やしろ)の呼び名もあり、おそらく、こちらの方が知っている人が多いでしょうね。
元糺の森と三柱鳥居
京福電車の蚕ノ社駅で下車し、北に少し歩くと、道路の真ん中に石造りの鳥居が現れます。
この鳥居は、木島神社のもので、ここからさらに5分ほど歩くと木島神社に到着します。
2つ目の鳥居をくぐり境内へ。
細長くのびた参道の先に拝殿が建ち、その周りをたくさんの木々が埋め尽くしています。
拝殿の後ろに回ると本殿が建っています。
それでは、本殿にお参りです。
木島神社が建つ太秦(うずまさ)は、雄略天皇の時代に秦酒公(はたのさけきみ)が、天皇にたくさんの絹をうず高く積んで献上したことから、その名がついたと伝えられています。
また、秦氏も、禹豆麻佐(うずまさ)の姓を与えられました。
木島神社にある蚕養神社(かいこじんじゃ)は、養蚕、織物、染色の守護神として今も崇められています。
木島神社の森は、元糺(もとただす)の森と呼ばれています。
京都市左京区の下鴨神社が建つ自然林を糺の森と言いますが、それは、嵯峨天皇の時代に木島神社の糺の森を下鴨に遷してから、そう呼ばれるようになったものです。
したがって、糺の森の元祖は、木島神社の元糺の森なのです。
糺の森の「糺」は、「正しくなす」や「誤をなおす」の意味があります。
元糺の森には元糺の池があるのですが、その池は、身に罪や穢れがある時に心身を清める行場だったそうです。
土用の丑の日には、元糺の池に手足を浸すと病気にかからないと信仰されているとか。
暑い夏の日に池に足を浸すと ひんやり気持ちよさそうですね。
元糺の森には、足が3本ある三柱鳥居(みはしらとりい)もあります。
鳥居を3つ組み合わせた珍しい鳥居です。
本殿祭神の神座であり、宇宙の中心を表し四方より拝することができるように建立されています。
三柱鳥居がいつできたのかはわかっていませんが、現在の鳥居は享保年間(1716-1736年)に修復されたものです。
一説によると、キリスト教の一派ネストル教の遺物ではないかとも伝えられています。
とりあえず木島神社に参拝した時には、見ておきたい鳥居ですね。
なお、木島神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。