京都の名産品で思い浮かべるものは何でしょうか。
西陣織がすぐに思い浮かぶ方もいらっしゃるでしょうし、京友禅だと言う方もいらっしゃるでしょう。
そして、清水焼が真っ先に思い浮かぶという方も多いかと思います。
室町時代中期に始まる
清水焼が誕生したのは室町時代中期と言われています。
発祥地は、その名から清水寺の近くだということが想像できます。
東大路通と五条通の交差点に設置されている立札に五条坂が清水寺発祥の地であることが解説されています。
近年では道路整備や拡張が進み、以前の姿が失われていますが、東は東大路通を超えて清水坂にいたるまで、西は大和大路通までのゆるやかな坂が五条坂として残っています。
清水坂とともに五条坂には、多くの清水焼の陶工の家が軒を並べていましたが、今は少なくなっていますね。
清水焼が有名になったのは江戸時代の寛永年間(1624-1644年)の頃です。
野々村仁清(ののむらにんせい)が清水寺の名声を高め、その後も、青木木米(あおきもくべい)、高橋道八(たかはしどうはち)、尾州周平、清水六兵衛、清風与平(せいふうよへい)、真清水蔵六(ましみずぞうろく)、三浦竹泉(みうらちくせん)など多くの名工が輩出し、製法と意匠の研究が進められ、西陣織、京友禅と並ぶ京都の代表的伝統産業となったそうです。
毎年8月7日から10日まで陶器まつりが開催されますが、それ以外の時期は春や秋の観光シーズンを除くと、歩道を歩いている人は少な目です。
でも、車道は常に多くの車が走っており、五条坂は現在では京都の交通面で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
五条坂の入り口付近に建つ若宮八幡宮の鳥居の左側には、「清水焼発祥之地 五條坂」と刻まれた石碑が立っています。
この石碑は、昭和60年(1985年)に五条坂の先人及び陶器まつりの運営功労者への感謝の意を込めて建立されたものです。
ちなみに若宮八幡宮も、8月7日から10日まで若宮祭が催され、陶器市とともに多くの人で賑わいます。
五条坂から清水坂までは、開発が進んだとは言え、昔ながらの建物がいくつも残っています。
なので、観光で訪れた方は、五条坂と清水坂を登りながら清水寺に向かうと、京都の風情を感じることができますよ。
また、三年坂や二年坂の辺りも京都らしい建物が並んでいますから、京都観光の際は清水寺周辺をのんびりと歩くと良いのではないでしょうか。