京都市伏見区の藤森神社では、毎年5月1日から5日まで藤森祭が催されます。
以前、同社に参拝した時、地元の方が藤森祭についていろいろと話を聞かせてくれ、非常に興味がわいてきたので、一度は見ておきたいと思っていたんですよね。
それで、5月5日に藤森神社の馬場で行われる駈馬神事を見に行ってきました。
雨の中催された神事
5月5日は、運の悪いことに雨天でした。
自宅を出た時は、小雨だったのですが、正午過ぎに藤森神社に到着した時には、結構な量の雨が降っており、このような状況でも神事が行われるのか不安でした。
駈馬神事は午後1時と3時の2回行われます。
私が見たのは、午後1時の方です。
雨の影響からなのか、午後1時を過ぎても神事が始まりません。
それにしても、雨の中でも、馬場にはたくさんの参拝者がいます。
午後1時を15分ほど過ぎると、神事の始まりを告げる行列が本殿から鳥居に向かって進んでいきました。
この頃になると、雨も上がっていました。
これぞ神威ですね。

神事の始まりを告げる行列
駈馬神事は、早良親王が、天応元年(781年)に陸奥の反乱に対し、征討将軍の勅を受けて、藤森神社に祈誓出陣された際の擬勢を象ったものということです。
1200年以上の歴史のある神事なんですね。
これだけの伝統がある行事なので、駈馬神事は、京都市登録「民族無形文化財」に指定されています。
行列が続きます。
甲冑をつけた列が進んでいきます。

甲冑姿の列
騎馬の列も後に続きます。

騎馬の列
鳥居まで進んだ行列は、再び本殿の方向に帰っていきます。

子供たちの列
馬場を駆け抜ける騎馬
神事の開始を告げる行列が馬場から去ると、2騎の騎馬が本殿から鳥居に向かって歩いていきます。
鳥居に到着した騎馬は1騎ずつ、本殿に向かって馬場を駆け抜けていきます。

駈けてくる馬
駈けて行くときに乗り役が「ハッ!ハッ!」と勇ましい声をだします。
その声にこたえるように馬が猛スピードで駆け抜けていきます。

猛スピードで疾走
あまりにの速さに写真がブレてしまいました。
ギャロップで駈け抜ける姿は迫力があります。
藤森神社の駈馬神事が興味深いのは、ただ速く走るだけではなく、様々な曲乗りを披露することです。
敵の矢が降りしきる中、それを避けるように馬を走らせる手綱潜り。

手綱潜り
乗り役が右側に倒れるように馬に乗っかっているので、思わず落馬したのかと思いましたよ。

落馬?
でも、これは落馬ではありません。

降りしきる矢を避けながら駈ける
乗り役は、落ちることなく馬を駈けさせています。
まさに職人技。

走り去る騎馬
騎馬が駈け抜けるたびに参拝者から、盛大な拍手が贈られます。
駈馬の技は他にも、逆乗り、矢払い、横乗り、逆立ち、藤下がり、一字書きといったものがあります。
今回、私が見たのは、手綱潜りだけでした。
まだ見たかったのですが、時間の都合で、全部で8騎が駆け抜ける姿しか見ることができませんでした。
でも、8騎だけとはいえ、目の前を駈け抜ける騎馬は、とても迫力があって、十分に楽しめましたよ。
なお、藤森神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。