善能寺の静かな境内で見る新緑・2023年

5月上旬に京都市東山区の泉山にある来迎院に参拝した後、向かいに建つ善能寺にも参拝しました。

善能寺は、南にある泉涌寺(せんにゅうじ)の塔頭(たっちゅう)で、弘仁14年(823年)に弘法大師空海が開いたと伝わるお寺です。

とても古い歴史を持っているのですが、あまり人に知られておらず、参拝する人の姿を見かけることはほとんどないですね。

新緑に囲まれた境内

善能寺には、JRまたは京阪電車の東福寺駅から東に約18分歩くと到着します。

東を向いて開く山門。

山門

山門

山門越しに境内を見ても、ひっそりとしているのがわかります。

山門をくぐって境内へ。

黄緑色のカエデの若葉がきれいですね。

境内

境内

そして、境内には、やはり人がいません。

参道の南側には三尊石が置かれています。

三尊石

三尊石

三尊石には、俳匠荻原泉水氏の以下の句が刻まれています。

南無観世音 藤はようやく 空に散る

また、多数の阿波石は、徳島の西尾秀蔵氏の寄進だそうです。

境内の奥に建つ本堂の祥空殿。

祥空殿

祥空殿

説明書によれば、祥空殿は、昭和46年(1971年)7月3日に北海道横津岳において遭難した「ばんだい号」の遺族の谷本庄蔵・輝子夫妻が時の藤田俊教住職との法縁に基づき航空殉難者の慰霊と事故の絶無を祈願して建立寄進したものだそうです。

先ほどの三尊石の句も、祥空殿の建立と関係がありそうですね。

それでは、祥空殿にお参りをしましょう。

祥空殿の北側から西側にかけて、池泉観賞式庭園の仙遊苑があります。

池泉観賞式庭園と新緑

池泉観賞式庭園と新緑

カエデの新緑がきれいですね。

仙遊苑は、昭和の名造園家の重森三玲の作です。

祥空殿裏の石組

祥空殿裏の石組

重森三玲と言えば、東福寺にたくさんの庭園を造園していますね。

東福寺の重森三玲の庭園を見るには拝観料が必要ですが、善能寺の仙遊苑は無料で見放題ですよ。

祥空殿から眺める境内の新緑。

境内の新緑

境内の新緑

初夏らしい風景であります。

境内の端に見えるたくさんの鳥居は、お稲荷さんのものです。

善能寺のお稲荷さんは、日本最初の稲荷大明神と伝わっています。

日本最初稲荷神石社

日本最初稲荷神石社

社殿は再建されて間もないようでピカピカであります。

お稲荷さんにも、お参りをして商売繁盛を祈願しておきましょう。

隣にも、稲荷大神を祀る小さな祠があるのでお参りをしておきます。

稲荷大神を祀る祠

稲荷大神を祀る祠

お稲荷さんから見る祥空殿。

祥空殿と新緑

祥空殿と新緑

境内は木々の緑に囲まれています。

そして、参拝者は私以外に1人だけだったので、とても静かでした。

ひっそりと静まり返った境内にいると、邪念が消えていくようであります。

この後は、悲田院に参拝します。

なお、善能寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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