令和2年(2020年)12月23日に京都市東山区の祇園にある八坂神社の本殿が国宝に指定されました。
八坂神社は、祇園の象徴ともいえる神社で、日ごろから多くの参拝者で賑わっています。
また、祇園祭を行っている神社としても知られていますね。
地元の人にも観光客にもなじみある八坂神社は、本殿が祇園造と呼ばれる特殊な形をしています。
拝殿と本殿が別棟になっていた
八坂神社は、京阪電車の祇園四条駅から東に5分ほど歩いたあたりに建っています。
下の写真に写っているのが、八坂神社の本殿です。
今は1つの建物になっていますが、かつては、手前の部分が拝殿、奥が本殿に分かれていました。
八坂神社の創建は、斉明天皇2年(656年)や貞観18年(876年)など諸説あります。
承平5年(935年)までは、拝殿と本殿が別棟だったとの記録がありますが、寛和2年(986年)には祇園造となっていることから、その間に拝殿と本殿を1つにしたものと考えられます。
ここで、祇園造とは、別棟として建立した本殿と拝殿を1つの屋根で覆った建築技法です。
外からだと本殿のみの建物に見えますが、実は拝殿と本殿が一体になった建物なんですね。
屋根は入母屋造檜皮葺(いりもやづくりひわだぶき)で、後ろの本殿部分(下の写真の左側)の屋根には庇(ひさし)と縁があります。
庇は、両側面から後方に続いています。
西の庇の内部は参拝者用の待合室、東の庇の内部は神職の控えの間、そして、建物の後ろには装束を収納する納戸があります。
祇園祭の時には、東から神職、西から祇園祭関係者が本殿の中に入っていきますよ。
現在の建物は、承応3年(1654年)に徳川家綱が寄進したものです。
内部は、中央に素戔嗚尊(すさのおのみこと)、東に妻の櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、西にその子である八柱御子神(やはしらのみこがみ)を祀っています。
東側から建物の正面部分の拝殿を見たのが下の写真です。
柱の上の方には、龍が飾られています。
これは龍吼(りゅうぼえ)といい、八坂神社の七不思議の1つに数えられています。
この龍に向かってパンと柏手を打つと大きく反響しますよ。
本殿の後ろには、石畳が敷かれています。
本殿の後ろを見ると、両側面から後方に庇が続いているのがわかりますね。
八坂神社の本殿への参拝は、通常は拝殿の前に立ち、二拝二拍手一拝をします。
祈祷をしてもらう場合は、西側の庇の下から内部に入り申し込みをします。
本殿の内部を見たい場合は、七五三詣や厄年のお祓いなどをしてもらいましょう。
八坂神社は、参拝するのに拝観料などは必要ありません。
祇園界隈に観光やショッピングで訪れた際は、ぜひ、八坂神社の国宝の本殿もご覧になってください。
なお、八坂神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。