1月下旬。
京都市中京区の神泉苑に参拝しました。
神泉苑は、平安時代に空海が雨乞いをしたことで知られていますし、祇園祭の前身である御霊会(ごりょうえ)が行われた場所としても有名です。
境内には、大きな池があり、その周囲を歩いているだけで、平安時代の貴族になったような気分を楽しめます。
減罪延命の宝篋印塔
神泉苑の最寄り駅は、地下鉄の二条城前です。
駅からは、押小路通を西に3分ほど歩くと、神泉苑の北側の入り口に到着します。
でも、お参りする際は、押小路通の1本南にある御池通から境内に入りたいですね。
御池通に面して建つ石造りの鳥居の前にやって来ました。
神泉苑は、現在は東寺が管理しています。
お寺の入り口に鳥居があるのは珍しいですね。
かつての神仏習合の名残を感じさせます。
鳥居をくぐります。
そろそろサザンカが良い具合に咲いているだろうなと思って神泉苑を訪れたのですが、すでに散っている花が多かったです。
ピンク色のサザンカは、割と多くの花を咲かせていましたが、見ごろの後半のようです。
参拝順路に従い、境内の東側に向かいます。
そして、弁財天が祀られているお堂にお参りです。
さらに東に進むと宝篋印塔(ほうきょういんとう)が立っています。
建立されたのは貞享元年(1684年)で、弘法大師御入定八百五十回忌にあたり、神泉苑の池中に建てられたそうです。
宝篋印塔の周囲には、金剛界四仏の梵字が掘られています。
東方は阿閦如来(あしゅくにょらい)、南方は宝生如来(ほうしょうにょらい)、西方は阿弥陀如来、北方は不空成就如来です。
この宝篋印塔に礼拝すると減罪延命のご利益を授かれるのだとか。
また、先祖への供養にも通ずると伝えられています。
アオサギとアヒル
再び境内の中央に戻ってきました。
こちらは、恵方社。
神泉苑の歳徳神(としとくじん)を祀っている日本唯一の恵方社です。
2021年の恵方は、辰午(南南東)で、恵方社は反対の北北西を向いています。
社殿にお参りをすると、恵方(南南東)を向くことができるんですね。
そして、こちらは善如龍王社です。
それでは、お参りをしましょう。
神泉苑の境内には、アヒルが2羽います。
1羽のアヒルがエサを食べていました。
アヒルの前には、アオサギもいましたよ。
神泉苑の境内の大部分は、法成就池(ほうじょうじゅいけ)と呼ばれる池になっています。
平安遷都(794年)以降、歴代天皇が、ここで遊宴を行いました。
池には、空海が祈雨の際に勧請(かんじょう)した善女龍王が棲んでいると言われています。
法力を成就させたことが、その名の由来とのこと。
また、御池通の名は、この法成就池が由来です。
この日は、晴れていたこともあり、池に架かる朱色の法成橋(ほうじょうばし)が水面にきれいに映っていましたよ。
手水鉢の前には、笑顔の布袋さま。
晴天の日は、布袋さまが、よりニッコリとほほ笑んでいるように見えます。
池に浮かぶ龍頭船の先には、怖そうな龍の頭が付いていますよ。
法成就池の西側にも、小さな池があり、心鏡の池と呼ばれています。
水面に映える自らの顔をうかがうと心の奥の喜怒哀楽が映し出されると伝えられています。
池の近くには寄ることが難しいので、顔を池に映すのは難しいのですが。
怒っている人が顔を映すと、般若のようになるのでしょうか。
そろそろ神泉苑から出ましょう。
この日は、冬にしては暖かい日で、空も晴れており、清々しくお参りできましたよ。
なお、神泉苑の詳細については以下のページを参考にしてみてください。