9月中旬。
京都市上京区の京都御所を拝観しました。
京都御所は、春と秋に一般公開されますが、月曜日を除いて通年で拝観できます。
しかも、拝観料は不要。
見るものが多い京都御所が、拝観料無料というのはありがたいですね。
諸大夫の間から建礼門へ
京都御所の最寄り駅は、地下鉄丸太町駅、または今出川駅です。
どちらの駅からもすぐに京都御苑に入れます。
京都御所は、京都御苑内の北西にあるので、今出川駅で下車した方が便利ですね。
京都御所の拝観の入り口は、西側にある清所門です。
ここで、お巡りさんに手荷物検査を受け、京都御所入門証を受け取ります。
京都御所の拝観は、西から南、東、北と反時計回りに進んでいきます。
清所門を南に進み、参内した者の玄関である御車寄(おくるまよせ)を過ぎると、諸大夫(しょだいぶ)の間があります。
建物の中には、虎の間、鶴の間、桜の間の3つの部屋があり、参内者の身分によって控えの間が決められています。
本来は、桜の間だけが諸大夫の間なのですが、この建物を総称して諸大夫の間と呼ばれています。
諸大夫の間の南側には、新御車寄(しんみくるまよせ)が建っています。
新御車寄は、大正4年(1915年)の大正天皇の即位礼に際して建てられたものです。
以降、天皇皇后両陛下の玄関となっています。
京都御所の真南に建つのは建礼門です。
建礼門は、普段は閉じられています。
時代祭などの特別な日に開きますよ。
紫宸殿から清涼殿へ
建礼門の北側にある朱色の柱が美しい門は、承明門です。
承明門の柱の隙間から見える建物は、京都御所で最も大きな紫宸殿(ししんでん)です。
承明門の向こう側にやってきました。
秋晴れの雲ひとつない青空の下で見る紫宸殿のなんとも美しいこと。
そして、雄大で迫力があります。
紫宸殿の右前に植えられている左近の桜も、とても背が高い桜なのですが、紫宸殿と比較すると小さく見えます。
紫宸殿は、即位礼などの重要な儀式が行われる最も格式の高い正殿です。
大正天皇と昭和天皇の即位礼は、この紫宸殿で行われました。
入母屋檜皮葺(いりもやひわだぶき)の高床式宮殿建築で、南向きに建っています。
「君子は南面す」といいますから、紫宸殿も南向きなわけですね。
紫宸殿の前に広がる南庭の白砂も美しいです。
紫宸殿を見た後は、東側の春興殿(しゅんこうでん)の前にやって来ました。
春興殿が建つ場所には、江戸時代から神鏡を安置する建物があったのですが、明治時代に皇居が東京に移された後に取り払われました。
しかし、大正4年にその跡地に春興殿が建てられ、大正天皇と昭和天皇の即位の礼に際して、神鏡を東京の賢所(かしこどころ)から移し、皇祖に即位を奉告する儀式が行われました。
かつては、春興殿の屋根は緑色の銅板葺でしたが、2019年の春に修復を終え、現在の黒ぽい屋根に変わっています。
銅板葺の耐用年数は50年とされていますが、春興殿の銅板葺の屋根は約100年も劣化することがなかったそうですよ。
春興殿の次は、紫宸殿の北側に建つ清涼殿の前にやって来ました。
清涼殿は、平安時代には天皇の日常生活の場として使われていました。
菅原道真の怨霊が雷を落としたのも清涼殿ですが、当時は、今よりも西に内裏があったので、落雷はこの場所ではありません。
清涼殿の障子は、荒海障子(あらうみのしょうじ)と呼ばれています。
清涼殿の前には、広い敷地があり、紫宸殿の南庭と同じように白砂が敷き詰められていました。
真っ青な青空と白砂の対比が見事であります。
人も少なく、静かな時間がゆっくりと流れていましたよ。
この後は、御池庭に向かいます。