毎年8月16日は、京都で五山の送り火が行われます。
京都のお盆は、13日に先祖の精霊(しょうりょう)を迎え、16日の夜に浄土へ帰って行くのを見送る風習があります。
五山の送り火は、盂蘭盆会(うらぼんえ)の精霊送りの行事で、京都を囲む5つの山に「大」、「妙・法」、「船形」、「左大文字」、「鳥居形」の形に火を点けます。
ということで、8月16日の夜に京都市上京区の京都御苑で五山の送り火を見てきました。
大文字山に点火
京都御苑の最寄り駅は、地下鉄の丸太町駅もしくは今出川駅です。
どちらの駅からもすぐに京都御苑に到着します。
京都御苑の建礼門の近くにやって来ました。
ここから東を向くと、正面に大文字山を見ることができます。
大文字山への点火は午後8時。
その20分ほど前にやってきたのですが、人がいっぱいでした。
午後8時となり、大文字山に目をやると、小さなオレンジ色の点が光り始めました。
オレンジ色の点が、徐々に広がっていきます。
そして、「大」の文字が浮かび上がってきました。
火力が強くなっていきます。
煙も舞い上がっています。
火の勢いが強く、まるで「大」の文字が「火」に見えます。
五山の送り火は、松明の火を空に投げて御霊(みたま)を見送る習俗が、山に点火するようになったと伝えられていますが、正確な起源はよくわかっていません。
また、大文字山の送り火は、京都御所から正面に見えるように考えられたとも伝えられています。
大文字山にきれいに描かれた「大」の文字。
大文字山に点火してから10分後に松ヶ崎の「妙・法」にも点火されます。
その他の山も順に点火され、約1時間にわたって五山の送り火を見ることができます。
大文字山の火の勢いが少し衰えてきました。
他の山の送り火を見れるかと思って京都御苑を北に歩きましたが、残念ながら大文字山以外の山は見えませんでした。
京都御所の西側にある宜秋門(ぎしゅうもん)が薄暗く、少し怖い雰囲気でしたよ。
再び、建礼門付近に戻ってくると、「大」の火文字は勢いが弱くなり、徐々に線が細くなりはじめていました。
衰えゆく「大」の火文字を見ていると、京都の夏も終わりだなと感じますね。
この日の夜は、涼しい風も吹き、秋の気配も感じることができました。
でも、京都の暑さは当分は続きますから、夏はまだ終わりそうにありません。