その昔、平安京の南に羅城門(らじょうもん)が建っていました。
羅城門は平安京の入り口で、そこから北に向かって幅約80メートルの朱雀大路が大内裏に向かって伸びていました。
また、羅城門の東に東寺、西に西寺もあり、まさに都の入り口にふさわしい景観だったようです。
当然、私は当時の景色を見たことがないので空想で書いていますよ。
平成28年(2016年)11月21日に京都駅の烏丸中央口に10分の1の大きさに復元された羅城門が展示され、設置記念式典が行われました。
現在の京都の玄関口に建つ羅城門の模型
現在の京都の玄関口は京都駅です。
平安時代に都の玄関口に建っていた羅城門が、模型ではありますが京都駅に設置されたのは現在の京都の玄関口だからなのでしょうか。
ホテルグランヴィア京都の前から京都タワーを眺めます。
ここからの京都タワーの眺めは、見事ですね。
上の写真の下側に薄暗く写っているのが羅城門の模型です。
正面から見ると、こんな感じです。
羅城門は、東西32メートル、高さ8メートルの二重閣で、瓦葺屋根の両端に金色の鴟尾(しび)が置かれていました。
また、楼上には兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)も安置されていたそうです。
羅城門は弘仁7年(816年)に大風で倒壊した後再建されてましたが、天元3年(980年)にも倒壊し、以後は再建されていません。
現在、羅城門があった場所は公園となっています。
京都駅に再現された羅城門は、平成6年(1994年)に平安建都1200年記念展覧会「甦る平安京」で展示されたものです。
製作には京大工をはじめとした多くの職人さんが参加し、堂宮建築(どうみやけんちく)本来の技法にのっとって再現したとのこと。
羅城門の模型の脇には、モニターがあります。
モニターでは、羅城門の解説が流れており、また下の方には日付と現在時刻が表示されています。
横から見た羅城門。
割と薄い感じです。
本物の羅城門が、大風で倒壊した理由が何となくわかります。
羅城門の模型を見ていると、どこかで見たような建物だなと思いました。
そうそう、京都市左京区の平安神宮の建物に似ているのです。
下の写真に写っているのは、平安神宮の應天門です。
そして、こちらは平安神宮の大極殿です。
羅城門の模型は、平安神宮の應天門と大極殿を合わせたような形をしていたんですね。
緑色の屋根、朱色の柱がよく似ています。
羅城門の模型の正面には、小さな人形が2体置かれています。
どうやら警備をしているようです。
人形の前には小さな階段があり、そこに1円玉が数枚置かれていました。
おそらく、神社と勘違いした海外からの旅行者の方が投げて行ったのでしょうね。
京都駅のシンボルは京都タワーですが、これからは羅城門の模型にも注目が集まりそうです。
でも、まだ羅城門をじっくりと見ていく観光客の方は少な目でしたよ。