7月24日に行われた祇園祭の後祭山鉾巡行。
10時40分頃に先頭の橋弁慶山が四条河原町を右折して、四条通を西に進むのに従って後ろの山や鉾も次々とやってきます。
私が観覧していた四条寺町付近も、続々と山や鉾が通過し、7番目の鯉山が登場しました。
鯉山
ゆっくりと西に進む鯉山。
沿道には後祭の山鉾巡行を見ようと、多くの観覧者の姿があります。
中には歩道から身を乗り出すようにして写真撮影をしている方もいましたよ。
鯉山は、龍門の滝を登った鯉は龍になるという中国の伝説を基にした立身出世の金言「登龍門」を題材にした山です。
山上には、御神体の鯉が祀られています。
銀色の鯉が、滝を登る姿をしていますね。
髭があるから鯉とわかりますが、髭がなければ鯛だと言われても納得してしまいそうです。
どのくらいの大きさがあるのでしょうか。
遠くから見た感じでも人と同じくらいに見えましたから、かなり大きな鯉だと思います。
きっと重さも相当なものなのでしょうね。
鯉山の前懸、胴懸、水引、見送は、「イーリアス」トロイア戦争物語の場面を描いた16世紀のベルギー製で、重要文化財だそうです。
日本のお祭りなのに西洋風の装飾を見れるのも、祇園祭の特徴ですね。
なお、鯉山のご利益は、開運、立身出世、家内安全です。
黒主山
続いては黒主山の登場です。
黒主山は、謡曲「志賀」を題材にした山で、六歌仙のひとりである大伴黒主が桜の花を眺める姿をあらわしています。
御神体の人形は、寛政元年(1789年)に作られたもののようで寛政元年辻又七郎狛之澄作の銘を持つとのこと。
夏なのに枝垂れ桜を見れるなんて、まるで春に戻ったかのようであります。
黒主山が目の前を通り過ぎていくとき、春の心地よい風が吹き抜けていくような、そんな気持ちになりましたよ。
また、黒主山の欄縁の飾り金具は、桜、椿、紅葉、菊などの透かし彫りとなっているとか。
ゆっくりとした歩みで、黒主山が四条烏丸方面へと去っていきました。
黒主山のご利益は、盗難除だそうですよ。
後祭山鉾巡行も8基が四条寺町を通過し、残すのは2基だけとなりました。
四条通は、正午が近づくにしたがって気温が上昇していきます。
さすがに沿道の観覧者も、暑さにこたえているような表情をしていますね。
でも、あと少しですから、この暑さを乗り切って山鉾巡行を最後まで観覧しましょう。
祇園祭2015年目次
- 祇園祭後祭山鉾巡行-橋弁慶山、北観音山・2015年
- 祇園祭後祭山鉾巡行-役行者山、八幡山・2015年
- 祇園祭後祭山鉾巡行-鈴鹿山、南観音山・2015年
- 祇園祭後祭山鉾巡行-鯉山、黒主山・2015年
- 祇園祭後祭山鉾巡行-浄妙山、大船鉾・2015年
- 祇園祭花傘巡行・2015年