7月17日の祇園祭前祭(さきまつり)の山鉾巡行を四条河原町で見てきたわけですが、いよいよ最後となる23基目の船鉾(ふねほこ)が交差点に近づいてきました。
この日は、とても暑かったので、途中で帰ろうかとも思ったのですが、なんとか最後まで観覧することが出来ました。
とは言っても、観覧し始めた時には半分以上の山と鉾が辻回しを終えていたんですけどね。
船鉾
前祭の山鉾巡行のトリをつとめる船鉾が姿を現しました。
江戸時代のお侍さんのような方たちが路上で待機しています。
ひとつ前の岩戸山の辻回しが終わった直後から、四条河原町の交差点の中央で、船鉾の辻回しの準備が行われ、地面には竹が敷き詰められています。
その準備が整った交差点の中央に向かって、ゆっくりと船鉾が進んできます。
その名の通り、船の形をした鉾。
まるで大海原を進んでいるようですね。
船鉾は、神宮皇后の新羅出船を題材にした鉾です。
神宮皇后は、船鉾のご神体であり、安産の神さまとして崇敬されています。
巡行の時、岩田帯を多数巻いており、祭りの後、妊婦の方に授与されるそうですよ。
神宮皇后が、新羅征伐に出かけた時、お腹の中には応神天皇がいたのですが、出産を遅らせるために体に帯を巻いたと伝えられています。
また、応神天皇は神宮皇后の胎内にいた時から、天皇になることが約束されていたことから胎中天皇とも呼ばれています。
そうこうしているうちに船鉾が交差点の真ん中に到着しました。
交差点の中央では、辻回しの準備が行われています。
船鉾の舳先にいる金色の鳥は、想像上の瑞鳥の鷁(げき)です。
翼を広げた姿が勇ましいですね。
辻回しの準備が整ったところで、船鉾の前に乗っている音頭取が、扇を左右に振って掛け声をかけます。
その掛け声とともに北から引っ張られた船鉾が、30度ほど回転しました。
重たそうな鉾だけにそう簡単には向きを変えることができません。
続いて2回目の回転。
さらに30度ほど北に向きを変えました。
あと1回、引っ張れば真北を向きそうです。
音頭取の掛け声の後、3回目の回転に挑戦。
無事、船鉾が真北を向きました。
最後の辻回しということもあって、沿道から盛大な拍手が贈られます。
そして、船鉾は、河原町通を北上し、河原町御池へと向かっていきました。
2014年から山鉾巡行が前祭と後祭の2回行われるようになったので、7月17日の巡行は、これまでよりも短時間で終了しました。
長時間の立ち見は疲れるので、前祭と後祭の2回巡行が行われる方が、観覧には楽ですね。
7月24日の後祭では、10基の山と鉾が、前祭とは逆の右回りで巡行しますよ。