毎年2月3日に京都各地で行われる節分行事。
普段から多くの参拝者と観光客でにぎわう平安神宮でも、この日は、朝から様々な節分行事が行われます。
私が平安神宮に訪れたのは、午後2時頃。
そろそろ大儺之儀(だいなのぎ)が行われる時間です。
すでに始まっていた大儺之儀
平安神宮は、地下鉄東山駅から北に10分ほど歩くと到着します。
入口の応天門の前には、節分諸行事の案内が出ています。
豆まきは午後3時からですね。
応天門をくぐり境内に入ると、すでに大儺之儀が始まっていました。
でも、まだ始まったばかりのようで、見逃した部分はなかったようです。
大儺之儀は、平安時代に朝廷の祓の行事として節分の日に行われていたものです。
現在、平安神宮で行われている大儺之儀は、昭和49年(1974年)に当時の様式を復元したもので、大変意義深い行事です。
斎場の東から上卿(しょうけい)、殿上人(でじょうびと)が、童(わらわ)を従えて入場してきます。
西からは、陰陽師(おんみょうじ)が6人の斎郎(さいろう)を引き連れて入場。
一同整列したところで、斎郎が神饌を供え、斎場の正確な位置を示すしるしである版(ばん)を設置します。
次に陰陽師が足を高く上げる独特の歩き方で斎場の中央へと進みます。
そして、祭文(さいもん)を奏上。
方相氏の登場
陰陽師が祭文を奏上している途中で、方相氏がシンシと呼ばれる8人の子供の所役を連れて入場してきます。
方相氏は、右手に鉾、左手に盾を持っています。
陰陽師の祭文の奏上が終わった後、方相氏が中央に進み、3回「鬼やらう」と叫びながら、鉾と盾を叩きます。
「鬼やらう」は、「鬼ヤロー」と発音します。
「鬼ヤロー」の次は、上卿が中央に進み北東と北西に向かい桃の弓で葦の矢を射ます。
矢は、左近の桜と右近の橘に吸い込まれるように飛んでいきました。
上卿が矢を射た後は、殿上人が桃の杖で、北東、南東、南西、北西の順に四方を撃ちます。
斎場を周回する行列
再び、方相氏が中央に進み、鉾と盾を撃ちながら、3回「鬼ヤロー」と叫びます。
そして、方相氏を先頭に演者たちが、斎場の周りを3周歩きます。
周回している最中にも、「鬼ヤロー」と何回も叫びます。
3周した行列が斎場から下りていきます。
どこに向かうのかと見ていると、一行は応天門へ。
どうやら、これで大儺之儀は終了のようです。
これで邪鬼や罪穢れが払われました。
寒い冬を乗り切れそうです。
大儺之儀が終わった後は、境内の西側にある甘酒の無料接待へ。
建物の中で、のんびりと温かい甘酒をいただきました。
これを飲むと節分だなと実感しますね。
甘酒を飲み終わり、体が温まったところで、平安神宮から出ることに。
すると、応天門の外から「鬼ヤロー」の叫び声が。
どうやら、斎場から出た一行は、応天門の外でも儀式を続けていたようです。
なお、平安神宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。