京都市中京区の下御霊神社(しもごりょうじんじゃ)の境内からは、名水が湧き出ています。
その名も下御霊神社の御香水です。
この御香水を汲ませていただくために1月中旬に下御霊神社に参拝してきました。
八所御霊を祀る本殿
下御霊神社は、京都御苑の南東にあります。
最寄駅は、京阪電車の神宮丸太町駅で、そこから西に10分も歩けば到着します。
地下鉄丸太町駅からだと東に向かって、徒歩10分程度ですね。
朱色の鳥居をくぐり、さらに神門をくぐって境内へ。
境内は、なかなか広いのですが、参拝者は多くありません。
これは、いつものことですね。
それでは、境内の東側に建つ本殿にお参り。
本殿には、非業の死を遂げた八柱の祭神が祀られています。
総称して、八所御霊といいます。
崇道天皇、伊予親王、藤原吉子、藤原広嗣、橘逸勢(たちばなのはやなり)、文屋宮田麻呂(ふんやのみやたまろ)、吉備真備(きびのまきび)、菅原道真が、その八所御霊です。
昔は、非業の死を遂げた人の怨霊が、天変地異や疫病をもたらすと信じられていたので、そういった人たちの怨霊を鎮める御霊信仰があり、平安時代に盛んとなりました。
天災が起こらないように、また、病気が流行しないようにしっかりと祈願しておきましたよ。
感応水と同じ水脈
本殿にお参りを済ませたところで、御香水を汲ませていただきましょう。
御香水は、神門付近の手水屋で組むことができます。
明和7年(1770年)の秋。
京都は干ばつに見舞われました。
当時の下御霊神社の神主であった出雲路定直が、夢のお告げにより、境内の1ヶ所を掘らせたところ、清らかな水が湧き出て、万人に汲ませることができたそうです。
その湧き水は、感応水(かんのうすい)と名付けられました。
現在は、当時の井戸は残っていませんが、下御霊神社の御香水は、感応水と同じ水脈ということなので、ご利益がありそうです。
ちなみに御香水が復活したのは、平成3年(1991年)のことです。
御香水は、手水鉢に設置されている蛇口から汲みます。
貴重な水なので、生活用水として使うことはやめましょう。
近くに設置してある賽銭箱にお賽銭を入れて、500mlのペットボトルに御香水を汲ませてもらいました。
井戸水ということもあって、冬場でも、温かいですね。
ペットボトルに水が入るにしたがって、持っている手が、ジワジワと温められていきます。
自宅に持ち帰って、さっそく試飲。
下御霊神社の御香水は、まろやかで美味しいと評判です。
やかんで沸かした名水を一口飲んでみると、確かにまろやかな口当たりです。
癖もなく、非常に飲みやすいですね。
御香水で淹れたコーヒーもすっきりとした味でしたよ。
夏に飲んだら、さらに美味しそうです。
なお、下御霊神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。