藤原時代の行列の次は、延暦時代の行列です。これが時代祭最後の行列となります。
延暦時代は、平安時代初期のことで、この時代に平安京が誕生しました。
延暦武官行進列
延暦時代の最初は、延暦武官行進列です。
延暦武官行進列は、平安時代に蝦夷を平定した坂上田村麻呂の軍隊をイメージしたものです。
行列には、鎧を着た兵士たちがたくさん登場します。
この時代の鎧は、平安時代末期以降のものとは、趣が違っていて、とても簡素ですね。
頭を守る兜と鎧は胸からお腹を守る部分だけで、腕や足には何もつけていません。
武器が発達していなかったでしょうから、身を守る甲冑もこの程度だったんでしょうね。
延暦文官参朝列
延暦武官行進列の次は、延暦文官参朝列の登場です。
平安時代初期の公卿が朝廷に参上する時の様子を表現した行列で、位の高い順に進んでいきます。
紫色の装束を付けているのは、三位(さんみ)という位の公卿です。
赤い服は、四位(しい)の位の公卿です。
次いで、オレンジ色の装束を着た五位の公卿と緑色の装束を着た六位の公卿が進んでいきます。
この時代は、着ているものの色で位がわかるようになっていたんですね。
神饌講社列
延暦文官参朝列の後に続くのは、神饌講社列(しんせんこうしゃれつ)です。
神饌講社列は、時代祭当日の神饌物を奉献する役割を担っている人たちの列です。
水干姿の人たちが続いていきます。
前列
続いては、前列の登場です。
前列は、この後に続く神幸列の前を行くことから、そう呼ばれています。
行列は、狩衣姿の人たちで構成されています。
上の写真に写っているのは、黒い衣装の人ばかりですが、明るい装束を着た人たちもいましたよ。
神幸列
時代祭もいよいよ終わりに近づいてきました。
時代祭は、平安神宮の祭礼で、神幸列では、祭神の孝明天皇と桓武天皇の鳳輦(ほうれん)が進んでいきます。
下の写真は、平安京最後の天皇の孝明天皇の鳳輦です。
屋根の上の金色の鳳凰は、今回、新調されたものだそうです。
そして、平安京最初の天皇の桓武天皇の鳳輦が進んでいきます。
鳳輦が前を過ぎる時には、拝礼するようにというアナウンスがありましたので、私も含め観覧者たちは自分の前を通り過ぎる鳳輦に拝礼をしました。
鳳輦の後には総長が続きます。
そして、列奉行の馬車も通り過ぎていきます。
白川女献花列
神幸列が過ぎると白川女献花列(しらかわめけんかれつ)の登場です。
頭に花をのせた白川女たちが進んでいきます。
女性の列は、これでおしまいです。
弓箭組列
時代祭の最後は、弓箭組列(きゅうせんぐみれつ)です。
弓箭組は、桓武天皇の平安遷都の際に警護を勤めたと伝えられています。
時代祭でも、行列の最後尾の警護をしていますね。
以上で、時代祭の行列は終わりです。
この後、行列は、京都の町を練り歩き、平安神宮に向かっていきます。
時代祭のすべての行列を見るのに約2時間かかりました。
同じ場所で立ちっぱなしで見るのは、とても疲れるので、京都御苑で時代祭を見るなら有料観覧席を利用した方が良いでしょうね。
他にも三条大橋などで時代祭の行列を見ることができるので、都合の良い時に短時間だけ観覧するのも良いですよ。