地下鉄蹴上駅の近くには、春や秋になるとたくさんの観光客でにぎわう南禅寺という有名なお寺があります。
南禅寺を拝観すると、十分に満足できるので、そのまま蹴上駅に戻り帰宅してしまうという方が多いのではないでしょうか。
でも、蹴上駅と1駅隣の東山駅の間には、訪れる方が少ないのですが、興味深いお寺がいくつか建っています。
そこで、今回の記事では南禅寺の拝観後に訪れておきたい3つのお寺を紹介します。
1.仏光寺本廟
最初に紹介するのは、ウェスティン都ホテル京都の西に建っている仏光寺本廟です。
南禅寺から西に10分ほど歩くと到着します。
境内には、親鸞聖人の遺骨を納めた本堂と画像を納めた廟堂があります。
仏光寺本廟で興味深いのは、廟堂の前にある三条小鍛冶(さんじょうこかじ)の古跡です。
三条小鍛冶は、平安時代の刀鍛冶で、いくつも名刀を造っています。また、祇園祭の長刀鉾(なぎなたほこ)の長刀も三条小鍛冶が鍛造したものと伝えられています。
三条小鍛冶については、以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。
2.良恩寺
2つ目のお寺は、仏光寺本廟の西に建つ良恩寺です。
私が訪れた時は、門が閉まっており境内に入ることができませんでした。
良恩寺には、手取釜(てどりがま)という寺宝が伝わっています。
安土桃山時代、粟田口善法という茶人がいました。
善法は、手取釜という茶器を愛用していました。
この手取釜を自分のものとしたかった豊臣秀吉は、千利休に依頼して善法から譲り受けようとします。
しかし、善法は、手取釜を秀吉に譲ると、自分はどうやって茶を飲めばよいのかと悩み、遂には、このようなものを持っているから秀吉から譲って欲しいと頼まれるのだと思い、割ってしまいます。
この話を聞いた秀吉は、自分のせいでこのようなことになってしまったのだと悔やみ、同じ手取釜を2つ造らせ、そのうちのひとつを善法に与え、もうひとつを自分のものとしました。
良恩寺に保管されている手取釜は、この時のひとつと伝えられています。
3.金剛寺
3つ目は、金剛寺です。
金剛寺は、良恩寺から三条通を西に300メートルほど進んだ場所に建っています。
入口の門が、建物の間にひっそりと建っているので、見落とさないように注意してください。
金剛寺の本堂には、丈六(4.8メートル)の阿弥陀如来像が安置されています。
京都でも丈六の仏像は珍しいので、金剛寺に訪れたらお参りしておきたいですね。
以上が蹴上駅と東山駅の間にある興味深い3つのお寺です。
南禅寺から約1時間あれば3つとも訪れることができますので、時間に余裕がある場合は参拝してください。
ちなみに東山駅は金剛寺からすぐですよ。