京都市右京区の太秦(うずまさ)には、京都で最古のお寺が建っています。
そのお寺の名は広隆寺です。
広隆寺が創建されたのは、推古天皇11年(603年)ということだから、平安遷都の約200年前となります。
かなりの歴史を持つお寺なので、国宝や重要文化財に指定されているものが、たくさん保管されています。
広隆寺は、京福電車の太秦広隆寺駅からすぐの場所に建っています。
JR太秦駅からだと、10分ほど歩くことになります。
なめらかな曲線が美しい弥勒菩薩半跏思惟像
広隆寺の入口には、雄大な南大門が建っています。
門の左右には、たくましい仁王像が2体。
威圧感があるので、境内に入るのをためらってしまいます。
と言っても、境内に入るのに特に許可がいるわけではないので、仁王像の威圧的な姿を見ないように前進。
境内は、とても広いです。
さすが京都で最も古いお寺ですね。
国宝に指定されている弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)は、境内の一番北に建つ霊宝殿に安置されています。
拝観料は700円。
少し高めですが、広隆寺に来た以上、弥勒菩薩半跏思惟像を拝まずに帰るわけにはいきません。
受付を済ませた後、霊宝殿の中へ。
霊宝殿内は写真撮影禁止です。
なので、ここからは文章だけで霊宝殿内を紹介していきます。
中は、薄暗い空間となっています。
建物内には、たくさんの仏像が展示されています。
弥勒菩薩半跏思惟像は、建物内の中央に展示されています。
右手を口元に寄せ、右足を左太ももに乗せて座っています。
体のラインは、とてもなめらかで、今にも動き出しそうな感じです。
また、表情もやわらかく、いかにもすべての悩みや苦しみからお救い下さる仏様といったお姿をしていますね。
ちなみに拝観案内によると、半跏思惟像の姿勢は、一切衆生をいかにして救おうかと考えているお姿を表しているそうです。
なお、広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像の写真は、Wikipediaの広隆寺のページに掲載されていますので、ご覧になってください。
弥勒菩薩半跏思惟像は、もう1体展示されています。
こちらの半跏思惟像は、右手が右目近くにあり、涙を抑えているように見えることから、「泣き弥勒」と呼ばれています。
他にも霊宝殿には、十一面千手観音立像、不空羂索観音菩薩立像(ふくうけんじゃくかんのんぼさつりゅうぞう)なども展示されています。
秋らしくなってきた境内
霊宝殿を出た後は、境内を散策。
訪れたのが10月ということもあって、境内は秋らしさを感じさせる景色となっていました。
霊宝殿前の赤い萩は、少し盛りを過ぎた感じです。
キキョウは、1輪だけ花を咲かせていました。
今年最後の花になりそうですね。
ハスは全く花が咲いておらず、大きな緑色の葉だけとなっていました。
霊宝殿の受付付近に祀られている弁財天の周囲のカエデは、赤く染まりつつあります。
広隆寺の本堂にあたる上宮王院太子堂の上には、秋空が広がっています。
その横には、盛りを過ぎた白い萩の花が咲いていました。
境内を出た後は、京福電車の通過待ち。
南大門の前を通過する京福電車の写真を撮影して帰路につきました。
なお、広隆寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。