夏至から数えて11日目の日を半夏生(はんげしょう)といいます。
毎年7月2日頃が半夏生になりますね。
この半夏生の前後に見頃を迎えるのがハンゲショウという植物です。
京都では、建仁寺の境内に建つ両足院(りょうそくいん)で観賞することができます。
と言うことで、ハンゲショウが見頃に近付いた6月末に両足院に訪れてきました。
唐門前庭と方丈前庭
両足院は、京阪電車の祇園四条駅から南東に10分ほど歩くと到着します。
門をくぐると目の前には、白砂と松で構成される唐門前庭が参拝者を迎えてくれます。
このまま先に進み、建物の入り口で拝観料600円を納めて方丈内へ。
方丈では、お寺の方が、両足院の沿革などを説明してくれます。
方丈の前に広がる枯山水庭園は、禅寺でよく見かける白砂と石で構成されたものではなく、白砂の代わりに苔を地面に敷き詰めています。
毎日、お寺の方が、苔に水をやって、この景観を保っているそうです。
白く輝くハンゲショウの葉
方丈庭園を拝観した後は、順路の矢印に従って、書院へと進みます。
書院の前庭は、池泉回遊式庭園で、池の周囲には、たくさんのハンゲショウが植えられています。
下の写真に写っている上の方が白くなっている植物がハンゲショウです。
白い部分は、花のように思ってしまいますが、実は、これは葉です。
葉の上の方が白く、下の方が緑色であることから片白草(かたしろぐさ)とも呼ばれています。
また、半分だけ化粧をしたような姿をしているので、半化粧とも書くそうです。
書院の中からは、座布団に座ってのんびりと庭園を眺めることができます。
これなら雨の日でも、庭園を拝観することができますね。
ちなみに両足院は、通常非公開で、ハンゲショウが見頃を迎える梅雨時だけ特別公開されます。
ハンゲショウは、書院の中からの観賞となりますが、お茶券を購入すると、茶室へと向かう途中に近くで観ることができます。
私は、お茶券を購入しなかったので、書院内からのみ拝観しました。
書院内からズームでハンゲショウを撮影してみました。
しかし、葉そのものが白いのか、太陽の光で葉が白く見えるのかわからないような写真になってしまいました。
池泉回遊式庭園では、苔もいい色をしていました。
坪庭
ハンゲショウを鑑賞した後は、順路に従い出口へ向かいます。
その途中に閼伽井庭(あかいにわ)という坪庭がありました。
お寺の説明書によると、庭の石組は阿弥陀三尊を表しているそうです。
そして、灯篭は火、水鉢は井戸からくんだ閼伽として仏様にお供えする意味を示しているとのこと。
また、写真には写っていませんが、坪庭には小さな「礼拝石」という台座石があり、それは、仏様に向かって拝をするためのものだとか。
単なる中庭かと思いましたが、深い意味があるんですね。
最後は毘沙門天にお参り
庭園の拝観を終えて出口に行くと、「隣に毘沙門天が祀られているので最後にお参りしてください。願い事はひとつだけです」と、お寺の方が、おっしゃっていたので、毘沙門天にも参拝しました。
願い事はひとつだけということなので、商売繁盛を祈願しておきました。
そう言えば、伏見区の一言寺も願い事を一言だけ叶えてくれますね。
両足院のハンゲショウは、梅雨時しか拝観できないので、この時期に京都に訪れた時は、ぜひ、当院に足を運んでみてください。