涌泉寺と七面祠

地下鉄松ヶ崎駅から北東に10分ほど歩いた辺りに涌泉寺(ゆうせんじ)というお寺が建っています。

もともとここは、本涌寺(ほんにゅうじ)というお寺だったのですが、大正7年(1918年)に妙泉寺というお寺と合併し、現在の涌泉寺になりました。

本堂の前には幼稚園の遊具

合併前の本涌寺は、天正2年(1574年)に創建された日蓮宗の学問所(壇林)でした。

一方の妙泉寺は、正暦3年(992年)に天台宗の松崎寺として創建されました。その後、徳治2年(1307年)に当時の住持が日像に帰依して、日蓮宗に改宗し、寺名を妙泉寺としました。

合併したのは、大正時代ですが、両寺とも、歴史のあるお寺だったんですね。

入り口の門をくぐって涌泉寺の境内へ。

涌泉寺の入り口

涌泉寺の入り口

境内には、本堂が建っており、その前には幼稚園の遊具があります。

お寺が幼稚園を運営しているということはよくあることなので、それほど驚くことではないのですが、それにしても本堂の近くに遊具があるのは何となく違和感を感じますね。

涌泉寺の本堂

涌泉寺の本堂

涌泉寺の本堂は、承応3年(1654年)頃に建てられたと考えられており、京都市指定有形文化財とされています。

柵が設けられているので、これ以上近くに寄って本堂を見ることはできません。

説明書によると、本堂は前後各3室から構成されているそうです。

前列は中央が18畳、その左右が12畳の間になっており、後列は中央が板敷の仏間で、両脇に8畳間が付いているとか。

実際に中を見ていないので、文章だけでは内部の構造がどうなっているのか想像できませんね。

七面祠

涌泉寺の参拝後は、来た道を少し戻り、七面祠(しちめんほこら)へ。

その入口には、「眼病救護七面大天女道」と刻まれた石柱が立っています。

七面祠の入り口

七面祠の入り口

緩やかな坂道を進み、鳥居をくぐって境内へ。

七面祠の鳥居

七面祠の鳥居

境内は、周囲を木々に囲まれており、とても静か。

七面祠の境内

七面祠の境内

七面祠には、七面大明神が祀られています。

この七面大明神は、日蓮宗の守護神です。

七面祠は、山梨県の身延山にもあり、実はそちらが本家で、京都の七面祠は、それを模して造られたものだそうです。

七面大明神については、日蓮が説法をしているとき、熱心にその話を聞いていた女性に水をかけると龍となって天高く舞い上がり、姿を消したという伝説が残っています。

詳しい内容については、「京都の史跡を訪ねる会ブログ」さんの松ヶ崎七面祠の記事に書かれていますので、ご覧になってください。

なお、涌泉寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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