毎年8月22日と23日は、京都は六地蔵巡りで賑わいます。
六地蔵巡りは、6ヵ所のお寺で、赤、青、黄、緑、黒、白の6色のお札を授かって玄関につるし、1年の疫病退散、家内安全、無病息災、福徳招来を祈願するものです。
そこで、今回の記事では、六地蔵巡りの6ヵ所のお寺を紹介します。
起源
6ヵ所のお寺には、地蔵菩薩が祀られています。
地蔵菩薩は、小野篁(おののたかむら)が一度息絶えて冥土へ行き、生身の地蔵菩薩を拝して蘇った後、一木から6体の地蔵を刻んだものと伝えられています。
そして、保元2年(1157年)に平清盛が西光に命じて、京都の主要な街道の入り口6ヵ所に祀ったことが、六地蔵巡りの起源とされています。
1.大善寺
伏見区の大善寺は、慶雲2年(705年)に藤原鎌足の子の定慧(じょうえ)によって創建されたと伝えられています。
地蔵菩薩が祀られたのは奈良街道の入り口で、伏見六地蔵とも呼ばれています。
境内には、徳川秀忠の娘の東福門院が安産祈願成就のお礼として寄進した鐘楼があります。
最寄駅は、JRと京阪電車の六地蔵駅で、西に10分ほど歩くと到着します。
2.浄禅寺
南区の鳥羽に建つ浄禅寺は、寿永元年(1182年)に文覚が創建したと伝えられており、鳥羽地蔵とも呼ばれています。
地蔵菩薩が祀られたのは大坂街道です。
文覚は、出家する前は遠藤盛遠という北面の武士で、袈裟御前を誤って手にかけたことで知られています。
境内には、袈裟御前の首塚とされる五輪石塔があります。
最寄駅は地下鉄竹田駅で、西に20分ほど歩くと到着します。
3.地蔵寺
西京区の地蔵寺は、平安時代後期に源経信の河原堂山荘跡に阿弥陀如来を祀ったのが始まりとされています。
地蔵菩薩は丹波・山陰街道の入り口に祀られました。桂地蔵とも呼ばれています。
最寄駅は、阪急電車の桂駅で、東に5分ほど歩くと到着します。
4.源光寺
右京区の源光寺は、平安時代前期に源常(みなもとのときわ)の別荘を寺に改めたのが始まりで、常盤地蔵(ときわじぞう)とも呼ばれています。
地蔵菩薩は、周山街道の入り口に祀られました。
この地は、源義経の母の常盤御前が営んだ庵の跡地とも伝えられています。
最寄駅は、京福電車の常盤駅で、駅を出てすぐの場所に建っています。
5.上善寺
北区の上善寺は、平安時代前期に円仁が天台密教の道場として創建したとされています。
地蔵菩薩が鞍馬街道に祀られたことから鞍馬口地蔵とも呼ばれています。
最寄駅は、地下鉄鞍馬口駅で、東に10分ほど歩くと到着します。
6.徳林庵
山科区の徳林庵は、天文19年(1550年)に雲英正怡禅師(うんえいしょういぜんじ)が創建しました。山科地蔵とも呼ばれています。
地蔵菩薩は東海道・四ノ宮に祀られました。
最寄駅は、JR山科駅で東に5分ほど歩くと到着します。
以上が六地蔵巡りの各寺です。
6ヵ所のお寺は、京都市内に散らばるように建っているので、公共交通機関を利用して1日で巡るのには、かなりの時間がかかります。
2日あれば、巡ることができるでしょう。
普段、車での京都観光はおすすめしないのですが、1日で6ヵ所のお寺に訪れるなら、車がないと不便ですね。
また、どうしても六地蔵巡りの時間が無いという方は、智恵光院に参拝すると良いでしょう。
智恵光院の地蔵堂には、小野篁作の六臂地蔵尊(ろっぴじぞうそん)が安置されており、ここにお参りするだけで、六地蔵尊にお参りするのと同じ功徳があるとされています。