大きな三門が建っていることで有名な京都市東山区の知恩院には、方丈庭園があります。
方丈庭園は、境内の中心に位置する御影堂(みえいどう)の北東にあるのですが、境内の入り口付近からは見えません。
なので、その存在をご存じない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、知恩院の方丈庭園を紹介したいと思います。
大方丈と庭園
御影堂の東側を北に進んでいくと、方丈庭園の拝観受付があります。
拝観料は400円です。
ちなみに三門の南にある友禅苑との共通拝観が500円なので、こちらを購入する方がお得です。
拝観受付を済まし、入場して最初に目にするのが大方丈です。
大方丈は、正面30メートル、奥行き25メートルもある大きな建物です。
建物内の拝観はできません。
説明書によると、内部には11の部屋があり、美しい襖絵や障壁画もあるとのこと。
建立されたのは、寛永18年(1641年)のことで、上段の間は、将軍が大名と謁見する際に使われたそうです。
そして、大方丈の正面にあるのが方丈庭園です。
池を中心とした池泉回遊式庭園で、背後に迫る東山の裾を築山の代理として利用しています。
確かに大方丈近くから庭園を望むと、東山の雄大な姿も目に入ってきますね。
山亭庭園から京都市街を眺める
方丈庭園の東に狭い山道があり、そこを登っていくと、山亭の入り口に到着します。
山亭は、知恩院で最も高い場所にあります。
建物の前には、庭園が配されており、その奥には、京都の街並みが広がります。
方丈庭園内で、腰を下ろしてゆっくりと休憩できるのは、山亭庭園だけです。
散策に疲れた時は、ここで京都市街を眺めるのも良いですね。
小方丈から権現堂へ
山亭を後にし、再び方丈庭園に戻ってきます。
方丈庭園から北に進むと小方丈(こほうじょう)が建っています。
小方丈は、正面22メートル、奥行き19メートルと大方丈よりも小さな造りとなっています。
この建物は、将軍が上洛した時の宿として使われたそうです。
小方丈の東側には、石と植え込みからなる庭園があります。
この庭園は、二十五菩薩の庭といいます。
二十五菩薩の庭は、知恩院が所有している阿弥陀如来二十五菩薩来迎図を基に造られたものです。
説明書によると、臨終の時に念仏を唱えると阿弥陀如来と二十五菩薩が浄土へ迎えてくれる様子を表現しているそうです。
石は、阿弥陀如来と二十五菩薩を、植え込みは来迎雲を表しているとか。
小方丈を過ぎ、方丈庭園内の一番北に進むと、少し高い場所に権現堂(ごんげんどう)が建っています。
権現堂には、徳川家康、秀忠、家光3代の霊が祀られています。
現在の権現堂は、昭和49年(1974年)に再建されたものです。
ちなみに権現とは、神の生まれ変わりという意味で、徳川家康は日光東照宮に東照大権現として祀られていますね。
以上が、方丈庭園内の大体の様子です。
私は、山亭庭園からの京都市街の眺めが良かったのですが、ただ、夕方近くに訪れたため、西日が眩しかったです。
なので、方丈庭園を拝観する際は、午前中や午後すぐの時間帯が良いですね。
また、拝観の順番は、大方丈、小方丈、権現堂と進み、最後に山亭庭園でゆっくりするのが良さそうです。
知恩院に参拝する時には、方丈庭園もぜひ拝観してください。