前回の記事では、勧修寺(かじゅうじ)の庭園を紹介しましたが、今回の記事では庭園以外の勧修寺の見どころを紹介したいと思います。
境内には、他では見れないものがあってなかなか興味深いですよ。
どこにでもありそうなモノでもじっくり見ると変わっている
拝観受付の入り口をくぐって最初に目にするのは、下の写真の宸殿です。
宸殿は、京都の観光名所でよく見かけるような建物ですが、あまりお寺では見かけないのではないでしょうか。
実は、この宸殿は、江戸時代に明正天皇から賜った御殿です。
そう言えば、京都御所にある建物もこういった造りになっているものがありますね。
どことなく雅な感じがします。
宸殿を過ぎるとハイビャクシンという木が植えられています。
ハイビャクシンは人の背丈ほどの高さがあります。
樹齢は750年で、京都市の巨樹名木のひとつに数えられています。
ハイビャクシンの近くには、もう1本老木があります。
その老木は、下の写真の臥竜の老梅です。
確かに写真の右側の木は、竜が伏せているように見えますね。
また、この老梅は、写真中央に小さく写っている根が親、右の枯れ木が子、左側の木が生長中の孫と3代が並んでいます。
枯れ木はどこにでもありますが、親、子、孫が並んでいるのは非常に珍しいですね。
ハイビャクシンと臥竜の老梅の近くには、勧修寺灯篭と呼ばれる灯籠が置かれています。
普段見掛ける灯篭とは違った形をしています。
この灯篭は、水戸黄門でおなじみの水戸光圀がデザインして寄進したものだそうです。
勧修寺灯籠を観た後は、本堂へと向かいます。
この本堂もなかなか落ち着きのある造りとなっています。茶色い屋根が印象的ですね。
本堂は、江戸時代に仮皇居内侍所仮殿の旧材を使用して建てられたものだそうです。
四国八十八ヵ所巡り
本堂でお参りをした後は氷室池に向かいますが、その途中で四国八十八ヵ所巡りができます。
上の写真の像の周囲には、88の霊石が埋められていて、時計回りに全ての霊石を踏むことで八十八ヵ所巡りが体験できます。
地面に埋められた霊石には、一から八十八の数字が書かれており、ゴールの石には高野山と書かれています。
もちろん、私も88の石を踏んで一周しました。
これで、四国八十八ヵ所を制覇したことになるのでしょうか。
四国八十八ヵ所の後は、庭園の芝生に建つ観音堂にお参りです。
観音堂には、本尊の観音様が安置されています。
建てられたのは、昭和6年(1930年)のことで、大斐閣とも呼ばれています。
観音堂にお参りをした後は、氷室池を好きなだけ眺め、出口へと向かいます。
出口に向かう途中には、下の写真に写っている2つに裂けた木があります。
この木は山桃で樹齢350年だとか。
2つに裂けているのは、この木に雷が落ちたことが原因だと伝えられています。
以上、簡単に勧修寺の見どころを紹介しました。
勧修寺は、観光客があまり訪れない山科区に建っているためか、私が拝観した時にはほとんど人がいませんでした。
観るべきものがたくさんあるのにあまり人に知られていない勧修寺は、京都観光の穴場的スポットなのかもしれませんね。
なお、勧修寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。