京都市伏見区にある世界遺産の醍醐寺から南に10分ほど歩いた場所に金剛王院というお寺が建っています。
金剛王院は、明治時代にもともとこの地にあった一言寺(いちごんじ)というお寺と合併して、現在に至ります。
欲張らずに一言の願いを一心に祈願するべし
金剛王院は、住宅街の中に建っていて、境内に入るには、石段を上っていく必要があります。
門の近くには、金剛王院の説明が書かれた石柱がありますが、そこには、一言寺と書かれています。
おそらく、金剛王院よりも一言寺という寺名の方が知れ渡っているのでしょう。
一言寺は、平安時代に建礼門院に仕えた阿波内侍(あわのないし)が清水寺の本尊のお告げによって建立したと伝えられています。
この一言寺という名前は、本堂に安置されている千手観音像と関係があります。
本尊の千手観音は、あれこれといろんなことを願うのではなく、ただ一言だけ一心に祈願し続ければ、願い事を叶えてくれると言われています。
そのため、この千手観音は一言観音と呼ばれ、金剛王院も一言寺の通称で親しまれるようになったそうです。
一言観音のようにひとつの願い事だけ叶えてくれるというお地蔵さんが、六角堂に祀られています。
六角堂のお地蔵さんは、願い事をかなえようかどうしようかと首をかしげて思案している姿が、多くの参拝者の方に親しまれています。
撫でると病を治してくれるびんずるさん
私が一言寺に訪れた時は、お寺には誰もおらず、境内は静かでした。
本堂の他にも建物があり、そちらに行ってみると、びんずるさんが祀られていました。
びんずるさんは、自分の体の悪い部分と同じところを撫でると治してくれると言われてくれます。
びんずるさんは、お釈迦様の弟子で、医者の心得があったことから、多くの人々の病気を治してきたそうです。
一言寺に限らず、びんずるさんは、多くのお寺に祀られているので、見かけた時には、体の調子が悪い部分を撫でて元気をいただくといいですね。
また、一言寺は、アジサイがたくさん植えられていることでも有名です。
6月から7月にかけてアジサイの花が咲くときに訪れると良さそうですね。
「京都を歩くアルバム」さんの一言寺 醍醐の紫陽花寺の記事で、アジサイの花で彩られた境内の写真が掲載されていますので、ご覧になってください。
何か一言だけ、どうしても叶えたい願い事がある時は、一言寺にお参りに行ってみてはいかがでしょうか。
なお、一言寺の詳細については、下記ページを参考にしてみてください。