京都市左京区にある平安神宮は、建物が端の方に建てられていることから、境内が広々としています。
広大な境内が平安神宮の特徴と言えますが、殺風景な神社とも感じてしまいます。
なので、平安神宮には、あまり見どころがないと思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、平安神宮は、意外と知られていない見どころが存在します。
それは、境内を取り巻くように造られた神苑です。
初夏の平安神宮は旅行者が少ない
神苑を紹介する前に初夏の京都観光について少し書いておきたいと思います。
京都の観光シーズンは、春の桜の時期と秋の紅葉の時期です。
そのため、春と秋以外の時期に京都に訪れると旅行者の方が少ないので、のんびりと観光名所の散策ができます。
特に初夏は、桜を観に京都観光に訪れたばかりということなのか、観光に適した気候にも関わらず、観光客の方が意外と少なめです。
下の写真は、以前、6月中旬に平安神宮に訪れた時に撮影した境内です。
人の少ないタイミングを狙って写真を撮ったということもありますが、境内にはほとんど人がいません。
しかし、同じ平安神宮でも桜の時期には、下の写真のように境内に人があふれかえっています。
同じ場所だというのに春と初夏では、参拝者の数が全然違いますね。
だから、平安神宮に限らず、初夏の京都は、どの観光地も旅行者が少ないので、この時期に京都に訪れるのは、結構おすすめと言えます。
いざ神苑内へ
平安神宮の神苑の入り口は、大極殿の西側にあります。入場料は600円です。
神苑の入り口は、境内を取り囲む壁と同化しているため、ちょっと見ただけでは入り口とは気付きません。
平安神宮に訪れたことはあるけど、神苑の存在を知らなかったという方がいらっしゃる理由がわかります。
初夏から梅雨にかけて西神苑の花菖蒲が見どころ
神苑は、南神苑、西神苑、中神苑、東神苑の4つから構成されています。
神苑内で最初に訪れるのは、南神苑です。
南神苑は、八重紅枝垂れ桜がたくさん植えられています。
下の写真は、6月に撮影したものなので、八重紅枝垂れ桜は全て緑色となっています。
八重紅枝垂れ桜の満開の写真は、以下の記事掲載していますのでご覧になってください。
南神苑は、梅雨になるとアジサイの花が咲きます。数はそれほど多いわけではありませんが、この時期の南神苑の見どころと言えますね。
南神苑を観た後は、西神苑に移動します。
初夏から梅雨の平安神宮と言えば、何と言っても西神苑の花菖蒲が見どころです。
西神苑の花菖蒲は、約200種類あり、しかもその数は約2,000株。5月下旬から6月中旬までが見頃です。
私が訪れた時は、少し旬を過ぎていた頃で花が少なくなっていましたが、神苑の拝観券に掲載されている写真を見ると上の写真の3倍くらいの花菖蒲が写っていました。
西神苑で花菖蒲を観た後は、本殿の後ろ側を通って、東側の中神苑に向かいます。
中神苑には、光格天皇御遺愛の折鶴と命名されたカキツバタが群生しています。
カキツバタの見頃は5月上旬から中旬なので、西神苑の花菖蒲よりも早く見頃を迎えることになりますね。
私が訪れた時は、カキツバタは草だけとなっていました。
他にも中神苑では、5月中旬から8月にかけてスイレンが見頃となります。
また、中神苑の池には、三条大橋と五条大橋の橋脚を使用した臥龍橋があります。
臥龍橋は、実際に渡ることができるので、池の中心から中神苑をぐるっと見回すこともできます。
中神苑の散策の後は、東神苑に向かいます。
東神苑には、池をまたぐように泰平閣という建物が建てられています。
泰平閣も臥龍橋同様に渡ることができます。建物内には、腰を降ろす場所もあるので、すぐに渡りきらずに休憩して景色を楽しみましょう。
池には、たくさんの鯉が泳いでおり、餌を与えることができます。
泰平閣から鯉に餌を与えていると貴族にでもなったような気分になりますね。
でも、決して「まろ」とか「おじゃる」とか言いませんよ。
初夏の平安神宮の神苑は、京都の観光ガイドでも紹介されている名所なので、この時期に京都にお越しになる予定がある方は、平安神宮にも足を運んでみてはいかがでしょうか。