京都市上京区の千本ゑんま堂から千本通を横切って東に少し歩くと称念寺というお寺があります。
住宅が立ち並ぶ狭い路地の一角に建っているので、目立ちませんが、動物供養のお寺として知られています。
称念寺が動物供養のお寺として親しまれるようになった理由は、三代目住職が猫好きであったことと関係があります。
徳川家の家紋を許されたお寺
称念寺は、江戸時代の初めに初代住職の嶽誉(がくよ)が松平信吉の援助を受けて建立したお寺です。
このお寺の紋は三つ葉葵。
そう、水戸黄門の印篭でおなじみのあの紋所です。
ところで、どうして称念寺の寺紋は三つ葉葵なのでしょうか。
称念寺の建立を援助した松平信吉の母は、徳川家康の異父妹でした。
それゆえ、称念寺は徳川家の家紋の三つ葉葵を寺紋として使用することを許可されていたんですね。
このことから推測すると称念寺は、それなりに格式の高いお寺だったのではないでしょうか。
しかし、時が過ぎて三代目住職の代になると称念寺と松平家との関係は疎遠となっていました。
そのため、お寺は次第に荒れていったそうです。
荒廃したお寺を救った猫
三代目住職は、猫好きということで評判で、自身も猫を飼っていました。
ある仲秋の満月の夜、住職が飼っていた猫が美しい姫に化けて、舞を舞っていました。
住職はそれを見て、寺が窮乏している状況なのに呑気に舞っている猫を怒り、追い出してしまいます。
ある夜、住職が眠っていると夢枕に追い出した猫が立ちました。
そして、猫は、住職に疎遠になっていた松平家の元に訪れて、復縁を取り付けたと報告したのです。
それ以来、称念寺は松平家との縁が復活したことで、繁栄していくことになります。
その後、住職は、愛猫の霊を手厚く守護し、称念寺は、猫寺と呼ばれるようになりました。
称念寺の本堂の前には、松が植えられています。
この松は、お寺を救った猫を偲び、猫が伏せた姿になぞらえて植えられたものだそうです。
現在、称念寺は、動物供養のお寺として親しまれています。
また、称念寺では、猫の絵が描かれたお守りを授かることができます。
「うめちゃんちゃんこ」さんのうめこは絶好調ですの記事に赤色と青色のお守りの写真が掲載されています。2匹の愛猫のために授かってきたそうです。
愛猫家の方は、称念寺に訪れて、猫用のお守りを授かってくると長生きしてくれそうですね。
なお、称念寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。