伏見区にある観光名所で、すぐに頭に浮かぶのが伏見稲荷大社ではないでしょうか。
伏見稲荷大社は、京都の中でも多くの方が参拝される神社として有名で、初詣に行くと大勢の参拝者の方で賑わっています。
そして、多くの方がお参りを終えるとそのまま伏見区を後にされます。
しかし、伏見稲荷大社の近くには、あまり知られていませんが、意外と見るべきお寺や神社が多くあります。
今回紹介する宝塔寺もそんなお寺の一つです。
朱色が鮮やかな仁王門
宝塔寺は、京阪電車の深草駅から東に10分ほど歩いた辺りに建っています。
伏見稲荷大社からだと南に10分ほど歩けば到着します。
宝塔寺の周辺は閑静な住宅街といった感じで、さすがにこの辺りには、観光で訪れたような感じの人はいませんね。
宝塔寺に入るには、まず総門をくぐります。
総門をくぐると緩やかに続く石段を上って行きます。
お寺の中にも人の姿は見えず、すごく静かですね。
そして、緩やかな石段を上った先には、鮮やかな朱色の仁王門が現れます。
仁王門は、宝永8年(1711年)に建てられたもので、その左右には、二体の金剛力士像がお寺を守るように立っています。
仁王門を見てすぐに目につくのが、天井からつるされた大きな提灯。
でも、この仁王門は、ただ金剛力士像や提灯を観るだけではいけません。
実は、天井にも仕掛けがあって、なんと約250枚もの花の絵が描かれているのです。
この花天井絵は、平成12年(2000年)に復元されたものだそうです。
宝塔寺に訪れた時には、ぜひご覧になってください。天井に描かれているので、気付かず素通りしてしまわないように注意してください。
静かな境内に建つ多宝塔
仁王門をくぐると目の前に本堂が建っています。
境内にも人影は見えず、本当に静かなお寺です。
この静かな境内には、重要文化財の多宝塔が建っています。
多宝塔は、下層が四角で上層が円形となっています。
また、屋根は、尻幅が細くなっている丸瓦を後ろの瓦と重ねる行基葺(ぎょうきぶき)と言われる葺き方が採用されています。
建立された年代は、はっきりとはわかっていませんが、永享10年(1438年)以前に建てられたそうです。
本堂の裏にある七面山
宝塔寺の本堂の後ろには、七面山と呼ばれる山があります。
本堂の左手が七面山への入り口となっているので、登ってみることにしました。
最初は、小さな山かと思っていたのですが、意外と高さのある山で、ところどころにいろいろな建物が建っていました。
他にも馬の像や日蓮聖人の像などがありました。
そして、山の一番上には、七面宮という神社が建てられていました。
七面宮には、寛文6年(1666年)に勧請された七福吉祥の七面大明神が祀られています。
七面山からは、伏見の街を見下ろすことができるので、宝塔寺に訪れた際には、七面山にも登ってみるといいと思います。
また、宝塔寺は、平安時代には極楽寺と称していて、源氏物語にも登場しています。
これについては、「京都おもしろ情報web」さんの源氏物語にも登場した宝塔寺の記事で紹介されていますので、ご覧になってください。
2014年10月17日追記:上記WEBサイトは閉鎖しています。
なお、宝塔寺の詳細については、下記のページを参考にしてみてください。