毎年1月15日頃になると東山区の三十三間堂で大的大会が催されます。
今年は1月17日に無事に行われました。
大的大会は、毎年多くの新成人が参加し、60メートル先の的に向かって矢を射ます。
大的大会は通し矢とも呼ばれ、三十三間堂の冬の風物詩として、よくニュースで報じられるので、多くの方が御存じなのではないでしょうか。
今回は、その大的大会の模様を紹介したいと思います。
大会参加者2,000人
今年の大的大会参加者は成人男子948名、成人女子906名、称号者200名の合計約2,000名でした。
午前中が成人男子、午後が成人女子で、その後に称号者、決勝という順番で大会が進行して行きます。
私が三十三間堂に到着したのは午後1時前で、成人女子の部が行われていました。
ここで少し大的大会(通し矢)の歴史について紹介したいと思います。
通し矢の起源ははっきりとはしていませんが、戦国時代に描かれた洛中洛外図屏風に三十三間堂で矢を射る武士の姿がみられることから、この頃にはすでに行われていたと言われています。
やがて、江戸時代になると各藩の武士たちが、弓矢の腕を競い合うようになりました。
通し矢の中でも大矢数と呼ばれる競技は、午後6時から24時間かけて何本の矢を射通すことができるかを競うもので、和佐大八郎という人物が歴代1位の記録を持っています。
その記録は、13,053本の矢を放って8133本命中させたというもの。
なんと6.6秒に1本の間隔で矢を射続けたことになります。
これは驚異的な記録ですね。
現在の大的大会では、一人でこれだけの矢を射ることはありません。
三十三間堂に到着するとたくさんの新成人の方たちが、弓を持って入り口付近で集まっていました。
普段は、拝観料600円が必要なのですが、大的大会の日は終日無料で入場することができます。
門をくぐり最初に向かったのは、三十三間堂の中。
やはり、国宝の仏像も拝んでおきたいので、先に拝観を済ませました。
拝観の内容については、「京都観光地ぷらり旅」さんの三十三間堂の楊枝のお加持と通し矢その1の記事で紹介されていますので、ご覧になってみてください。
拝観終了後は、大的大会の会場へ。
会場に着くと順番を待つ新成人の方たちが、ずらっと並んでいました。
前列の方たちは、やはり緊張した面持ちです。
新成人たちが狙う的は下の写真の4つの青い的です。
1メートルの的に60メートル離れた場所から矢を射るのは難しそうです。
新成人たちが、的に向かって弓をキリリと引き、ヒュンと矢を放ちます。
放たれた矢は、的に向かって一直線・・・。
かと思ったら、全く的に当たる矢がありません。
10人以上の方が一斉に矢を放っているのですが、どの矢も手前で落ちたり、的の上を通過していきます。
大会参加者は、初段以上の有段者の方なのですが、あの的に当てるのは相当難しいようです。
100人ほどの方が矢を射るのを観ましたが、的に命中したのは1人だけでした。
恐るべし、和佐大八郎。
最初は、三十三間堂の中から通し矢を観ていましたが、その後で外の一般観覧席に移動しました。
下の写真は、観覧席から撮影したものです。矢を射る姿を正面から観る方が緊迫感が伝わってきますね。
以上で、大的大会のレポートは終了です。
毎年、こういった新成人たちの晴れの舞台が用意されているというのは、いいものですね。
皆さん、希望に満ちあふれた表情をされていました。
なお、三十三間堂の詳細については下記ページを参考にしてみてください。