4月末に京都市下京区の西本願寺にツツジを見に行った後、北東に約20分歩き、平等寺に参拝しました。
平等寺は、四条烏丸のビジネス街に近い場所に建つお寺です。
観光で訪れる人は少ないですが、地元の方たちが参拝しているのをよく見かけます。
十九所権現が修復工事中
平等寺には、地下鉄の四条駅、または、阪急電車の烏丸駅から南に約5分歩くと到着します。
平等寺の南側には、歩道に「因幡薬師」と刻まれた石柱が立っています。

因幡薬師
平等寺は、因幡国から飛来したと伝わる薬師如来像を祀っていることから、因幡薬師とも呼ばれており、こちらの通称の方が有名かもしれません。
平等寺の入り口に到着。

入り口
境内には人の姿が見られます。
普段より参拝者が多いようですね。
境内に入り、正面の本堂に上がってお参りをしましょう。
入り口付近のガラスケースに入っているのは、本堂大屋根の巴蓋として明治19年(1886年)よりお堂を守っていた贔屓(ひき)です。

贔屓
平等寺の説明書によると、贔屓は、龍が生んだ9頭の神獣・龍生九子の1頭で、亀に似た姿をしており、重きを負うことを好むといわれ、柱の土台の装飾に用いられることが多いとのこと。
「贔」は財貨が多くあること、「屓」はその財貨を屋内に入れることを表し、多くの財貨を抱えることを表しています。
そこから、「大きな荷物を背負う」「盛んに力を使う」「鼻息を荒くして働く」などの意味をもつようになったそうです。
「贔屓の引き倒し」とは、「ある者を贔屓しすぎると、かえってその者を不利にする、その者のためにならない」という意味のことわざですが、それは、柱の土台である贔屓を引っ張ると柱が倒れることが由来だそうです。
贔屓が入ったガラスケースの上には、ゑびすさまの瓦も置かれていました。

ゑびすさまの瓦
贔屓とともに縁起が良くなりそうですね。
本堂の東側に置かれている蹲(つくばい)は、周囲が苔むして味のある姿になっていましたよ。

苔むした蹲
コケはみずみずしく、緑色がきれいですね。
蹲の隣では、シャクナゲも咲いていました。

シャクナゲ
そろそろシャクナゲも、季節的に終わりが近そうです。
ナニワイバラも、白色の花をたくさん咲かせていましたよ。

ナニワイバラ
本堂の西側に建つのは観音堂です。

観音堂
平等寺の観音さまは、洛陽三十三所観音霊場巡りの第29番札所となっています。
洛陽三十三所観音霊場は、再興から20周年ということで、2025年12月31日まで京都観音めぐりが行われています。
特別デザインの御朱印が用意されているとのことですが、この機会に京都観音めぐりをするのも良いですね。
京都市内の狭い地域に33ヶ所のお寺があるので、1日にまとめて5ヶ所以上訪れることも可能です。
観音堂の隣に建っていた十九所権現のお堂がなくなっていました。
どうやら、2025年9月末まで改修工事が行われているようです。

修復工事中の十九所権現
十九所権現は、観音堂に遷座されているとのことですから、観音堂にお参りをしておけば、十九所権現にもお参りしたことになりますよ。
本堂にお参りを済ませたので、そろそろ境内から出ることに。

本堂
四条烏丸のビジネス街は、人が忙しなく歩いていましたが、平等寺の境内は、時間がゆっくりと流れているような落ち着きがありましたよ。
なお、平等寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。