京都の冬の風物詩と聞いて思い浮かべるのは何でしょうか。
おそらく、人それぞれ違うものを思い浮かべるでしょう。
中には、上賀茂神社のすぐきの天秤押しを思い浮かべるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
上賀茂神社とすぐき
すぐきは、かぶらの一種と言われています。
江戸時代に生産が始まり、当初は上賀茂神社の社家が庭に植え、漬物にして食べていたそうです。
やがて、すぐきは近郊の農家に伝わり、栽培されるようになりました。
毎年11月になると上賀茂の農家では、すぐきの漬け込みが始まります。
てこの原理で漬け込む
さて、すぐきの漬け込みですが、これは、てこの原理を利用して行われます。
一晩荒漬けされたすぐきは、水できれいに洗い流した後、四斗樽に入れられ、塩をかけられます。
そして、ふたの上から長さ4メートルほどの棒の先に重石を付けて、樽の中のすぐきに圧力を加えて漬けこまれます。
これをすぐきの天秤押しと言うそうです。
下の写真は、以前、上賀茂神社に初詣に行った時に撮影したすぐきの天秤押しです。
樽の中のすぐきにかかる圧力は、500kg程度だそうです。
それにしても、これだけの圧力を加えても、樽がひっくり返ったり、壊れたりしないんですね。
さすが、300年の歴史がある漬け込み方です。
なお、現在では、すぐきを漬けるのに圧力機も使われているそうですよ。
どんなに機械化が進んでも、こういった風景は残してほしいですね。
ラブレ菌たっぷり
江戸時代から上賀茂で栽培されてきたすぐきには、植物性乳酸菌ラブレが含まれていることがわかっています。
ラブレ菌は、腸内でビフィズス菌を増やし、悪玉菌を減らしてくれるそうです。
と言うことは、すぐきを食べていると腸内を健康な状態に保つことができるということですね。
近年、日本食が健康面で見直されているようですが、すぐきもそのひとつと言えそうです。
上賀茂神社の近くには、すぐきを販売しているお店がたくさんありますので、興味がある方は、神社に参拝した後に寄ってみてはいかがでしょうか。
調べてみたところ、以下のお店が上賀茂神社の近くにあるようです。
上賀茂神社に訪れた時には、もっと漬物屋さんがあった気がします。
おそらくどのお店でも、すぐきを扱っていると思います。
すぐきは、京都観光のお土産としても良さそうですね。
なお、上賀茂神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。