1月下旬。
京都市伏見区の伏見稲荷大社に参拝した後、そこから南に10分ほど歩いて宝塔寺を訪れました。
伏見稲荷大社は、旅行者や観光客の方に大人気なのですが、宝塔寺まで足を延ばす方はとても少ないです。
そのため、宝塔寺はいつも静かで落ち着いてお参りできるんですよね。
無人の参道
宝塔寺の最寄り駅は、京阪電車の深草駅です。
駅からは東に10分ほど歩くと、宝塔寺の総門前に到着します。
総門の近くには、平安装束をまとった男女の像が立っています。
これは、極楽寺開創壱千百年記念の石碑です。
この辺りには、かつて極楽寺というお寺がありました。
発願したのは藤原基経で、昌泰2年(899年)に藤原時平が完成させた真言宗のお寺です。
その後、徳治2年(1307年)に日蓮の法孫日像に帰依した良桂が日蓮宗に改宗し、寺名も宝塔寺に改めました。
宝塔寺の名は、日像が京都に通じる7つの街道にたてた法華題目の石塔婆のひとつが、日像の廟所に奉じられたことにちなむのだとか。
総門をくぐって参道へ。
誰もいません。
木々からは葉が落ち、まさに冬の景色であります。
静かな参道を歩き、仁王門の前にやってきました。
仁王門をくぐる時は、頭上の花天井絵もみておきましょう。
本堂にお参り
仁王門をくぐった正面に建つ本堂。
本堂は、慶長13年(1608年)の創建です。
本尊の十界曼荼羅、釈迦如来立像、左右に日蓮と日像の像が祀られています。
それではお参りをしましょう。
本堂の南側に建つ多宝塔は、永享10年(1438年)以前に建立されたものなので、本堂よりも長い歴史を持っています。
丸瓦の尻幅が細く、後ろの瓦を直接重ねて葺く行基葺と呼ばれる葺き方をしているそうですが、下からだと瓦が見えません。
上層が円く、下層が四角いのも特徴的です。
境内には、サザンカの花がたくさん咲いていましたよ。
本堂の裏には七面山があり、その頂上には七面大明神が祀られているのですが、今回はそこにはお参りをしませんでした。
伏見の町並みを眺められるので、宝塔寺に初めて参拝する時は七面山にも登っておきたいですね。
総門へ戻るために参道を歩きます。
子院の塀際では、ナンテンが赤い実をたくさん付けていました。
総門近くの中央がくぼんだ四角い石に溜まった水が凍っていました。
昔は、道路のくぼみも冬に水が溜まると凍ったものですが、最近はアスファルトの舗装技術が向上したためか、水溜りができることが無くなり、道路が凍らなくなってますね。
表面が凍っている水溜りを見ると、何となく懐かしい気分になりましたよ。
伏見稲荷大社に参拝した後は、宝塔寺にもぜひお参りしてください。
なお、宝塔寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。