京都市中京区にお土産物屋さんがたくさん並ぶアーケード街の寺町通があります。
寺町通の1本東側に新京極通があり、こちらもお土産物屋さんが軒を連ねています。
さらに新京極通の東に裏寺町があり、ここに宝蔵寺というお寺が建っています。
裏寺町は、素通りすることが多いのですが、ある日、宝蔵寺の前に京都市の説明書が設置されているのに気づき、それを読んでみることにしました。
弘法大師空海の創建
下の写真に写っているのが、宝蔵寺の山門です。
どうやら、普段は一般の参拝ができないようです。
宝蔵寺は、浄土宗西山深草派本山誓願寺に属するお寺で、弘法大師空海が創建したと伝えられ、文永6年(1269年)に如輪上人が元西壬生郷に開基されました。
本尊は阿弥陀如来立像で、元禄13年(1700年)の作とのこと。
空海が創建したということなので平安時代から続いている由緒あるお寺のようですね。
天正9年(1581年)に玉阿律師によって中興再建され、天正19年に豊臣秀吉の寺町整備で現在地に移転してきました。
その後、天明の大火(1788年)や蛤御門(はまぐりごもん)の変で焼失しましたが、昭和7年(1932年)に現在の本堂が再建されました。
伊藤若冲の菩提寺
宝蔵寺は、江戸時代中期の画家である伊藤若冲の菩提寺です。
伊藤若冲と言えば、鶏の絵が有名で、京都では様々なお寺に伊藤若冲の絵画が保存されています。
宝蔵寺の墓地には、伊藤若冲が建立した父母の墓石と末弟の白歳の墓碑があります。
毎年、伊藤若冲の誕生日にあたる2月8日には、生誕会が催され、当寺に所蔵されている伊藤若冲の作品「竹に雄鶏図」や白歳筆の「羅漢図」が一般公開されるそうです。
宝蔵寺は、2016年の京の冬の旅でも特別公開されたようなので、また、いずれ公開されることがあるでしょうね。
京都には、数多くのお寺がありますが、宝蔵寺のように普段は参拝できないお寺もたくさんあります。
でも、そういお寺にも歴史的に価値のある文化財が保存されていることがあり、たまに一般公開されます。
日頃から一般公開されているお寺に参拝するのも良いですが、こういった通常非公開のお寺の特別公開は貴重な文化財を鑑賞できるので、また違った楽しみがあります。
いずれまた、宝蔵寺の特別公開が行われることがあるでしょうから、その時に伊藤若冲の絵画を見たいですね。