四条大宮から嵐山へと向かう京福電車に有栖川駅という駅があります。
嵐山に近い駅なのですが、旅行者や観光客の方が、ここで降車することはあまりないですね。
その有栖川駅から南西に5分ほど歩いた辺りに斎宮神社(さいぐうじんじゃ)という神社が建っています。
社名のとおり、伊勢神宮に奉仕する斎宮と関係のある神社です。
神殿の旧地
下の写真に写っているのは、斎宮神社の入り口に建つ鳥居です。
伊勢神宮に関係のある神社の鳥居は木造りで、質素な感じのものばかりですね。
何か規格があって、このように鳥居を造らなければならないのでしょうか。
鳥居をくぐって境内へ。
中央にも木造りの鳥居があり、くぐった先が拝殿になっています。
さらに奥には本殿もあります。
斎宮神社の創建年代は不明とのこと。
祭神は天照大神で、伊勢神宮に奉仕する斎宮が有栖川の辺に野宮(ののみや)を建て、精進潔斎をした旧跡と伝えられています。
斎宮とは、伊勢神宮に奉仕した未婚の内親王か女王のことです。
野宮と言えば、嵯峨野の野宮神社が有名で、多くの修学旅行生が訪れます。
野宮神社は、縁結びのご利益を授けてくれるということから女性に大人気ですね。
斎宮神社のご利益は、開運厄除、婦女子の血の道の守護だそうです。
婦女子の血の道の守護とはなんなのかと思って調べてみると、婦人病のことだとわかりました。
境内には、神殿の旧地を示す石碑が置かれていました。
この地は、垂仁天皇の皇女で初代の斎宮となった倭姫命(やまとひめのみこと)の別荘があったと伝えられています。
斎宮が制度化されたのは天武天皇の時代で、南北朝時代の後醍醐天皇の時代以降に廃絶しました。
境内に置かれているさざれ石。
君が代の歌詞に歌われているさざれ石は、京都だと下鴨神社や護王神社などにもありますね。
大きな木の下にある小さな祠には、白龍大神が祀られています。
小さな社殿でも巨木が背後にあると、神々しさを感じます。
嵐山観光で野宮神社に参拝した後は、京福電車で有栖川駅に行き、斎宮神社にもお参りしてはいかがでしょうか。
野宮神社は人が多いですが、斎宮神社を訪れる人は少ないので落ち着いて参拝できますよ。
同じ日に野宮神社と斎宮神社に参拝したら、縁起が良さそうですね。