7月17日に行われた祇園祭前祭(さきまつり)の山鉾巡行も、20基の山と鉾が四条河原町での辻回しを終え、3基を残すだけとなりました。
残り3基は、とても大きな山と鉾なので、辻回しも見ごたえがあります。
放下鉾
21基目に四条河原町に姿を現したのは、放下鉾(ほうかほこ)です。
放下鉾は、真木の「天王座」に放下僧の像を祀っています。
鉾頭には、日、月、星の3つの光が下界を照らす形をしているのですが、鉾が長すぎて、下からではよく見えません。
放下鉾には、稚児舞ができる操り稚児人形も乗っています。
その名は、三光丸というそうですよ。
交差点の中央の地面にたくさんの竹が敷かれ、辻回しの準備が完了しました。
そして、乗り手の方が掛け声とともに扇を左右に振ります。
河原町通の北側から引っ張られた放下鉾が30度ほど回転しました。
もう一度、地面の竹を敷き直して2回目の回転。
体がかなり北側を向きましたが、まだ、この程度では直進するとビルにぶつかってしまいます。
3回目の回転に挑戦。
見事、鉾が真北を向きました。
これで北に向かって進むことができます。
その後、放火鉾は、ゆっくりと北上していきました。
岩戸山
放下鉾の次に交差点に入ってきたのは、22基目の岩戸山です。
山は鉾と比較すると、小さいものが多いのですが、岩戸山は、鉾と同じくらいの規模があります。
交差点の中央でいったん停止。
岩戸山は、古事記や日本書紀に記されている国生みと天の岩戸の神話を題材にした曳山です。
御神体は、神話の中で天の岩戸に隠れてしまった天照大神と、彼女を岩戸から引っ張り出した怪力の手力男命(たぢからおのみこと)で、岩戸山の内部に祀られています。
また、岩戸山には、国生み伝説に登場する伊弉諾尊(いざなぎのみこと)も祀られており、その像は屋根の上に立っています。
辻回しの準備ができたところで、乗り手の方の威勢の良い掛け声が響き渡ります。
そして、北側から引っ張られた岩戸山が回転。
しかし、見るからに重たそうな岩戸山は、あまり回転せず、20度ほど北に傾いただけでした。
もう一度、乗り手の方の掛け声の後に岩戸山を北側から引っ張ります。
今度も少ししか回転しませんでした。
続く3回目の回転で、かなり北に向きましたが、まだ少し足りないですね。
これが最後の回転です。
掛け声の後、少しだけ体を回転させた岩戸山は、無事、北を向くことが出来ました。
そして、辻回しを終えた岩戸山は、河原町通を北に向かって進んでいきました。
いよいよ四条河原町での最後の辻回しです。