京都市上京区の晴明神社は、陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明(あべのせいめい)を祀っています。
一昔前に陰陽師がブームになったことから、安倍晴明をご存知の方は多いことでしょう。
晴明は、朱雀、村上、冷泉(れいぜい)、円融、花山(かざん)、一条の六代の天皇に仕え、寛弘2年(1005年)に亡くなりました。
そして、一条天皇が晴明の功績をたたえるために彼の死から2年後に晴明神社を創建しました。
現在の晴明神社には、興味深いものがいくつかあります。
今回の記事では、それらを紹介します。
境内には不思議なものがたくさん
それでは、晴明神社を入り口から順にみていきましょう。
1.鳥居
まずは、神社なら必ずと言っていいほど建っている鳥居です。
鳥居の中心には、通常、その神社の名が書かれた額がかかっているのですが、晴明神社の場合は、星のマークが書かれています。
この星は、五芒星という晴明神社の神紋です。
星型になっているのは、五角形のキキョウの花が由来です。そのため、桔梗印とも呼ばれています。
2.昔の一条戻り橋
鳥居の側には、平成7年(1995年)まで実際に使用されていた一条戻り橋の欄干親柱が置かれています。
延喜18年(918年)。
文章(もんじょう)博士の三善清行(みよしきよつら)が亡くなり、その葬列がこの橋を通過しようとしていました。
その時、紀州熊野で修行していた清行の子の浄蔵が京都に帰ってき、棺にすがって泣きました。
そして、浄蔵が、神仏に一生懸命祈願すると、一時的に清行が蘇生し、父子物語を交わしたと伝えられています。
その伝説から戻り橋と名付けられたそうです。
なお、戻り橋は、晴明神社の南東に今も架かっています。
3.千利休邸宅址
晴明神社の2つ目の鳥居の近くには、千利休の邸跡を示す石柱があります。
この地は、千利休の聚楽屋敷があった場所です。
利休は、ここで茶事を催したそうです。
また、茶湯に用いた井戸も現存しているようです。
4.晴明井
2つ目の鳥居をくぐってすぐの場所にあるのが晴明井です。
この井戸は、安倍晴明が念じると湧き出したと伝えられています。
悪病退散のご利益があるとか。
5.本殿
境内の一番奥に建つのが、安倍晴明を祀っている本殿です。
本殿の手前には、安倍晴明の像もあります。
6.厄除桃
本殿の手前には、厄除桃と呼ばれる金色の桃もあります。
古来、陰陽道では、桃は魔除厄除の果物とされていたそうです。
7.安倍晴明の物語
最後に紹介するのは、境内の南に数枚ある安倍晴明の物語が描かれた絵です。
この絵を見ながら物語を読むのも、なかなか楽しいですね。
以上が、晴明神社の見どころというか、興味深いものです。
全体的に陰陽師の色が濃いですね。
他にも晴明神社では、夏になるとキキョウが花を咲かせます。キキョウについては、以下の過去記事で紹介していますので、ご覧になってください。
なお、晴明神社の詳細については、以下のページを参考にしてみてください。