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10年近く使い続けたパナソニックのコンパクトデジカメが、とうとう使えなくなったので3月に買い替えることにしました。
新しく購入したのは、2017年5月に発売開始したキャノンの「PowerShot SX730 HS」という機種です。
10年も経つと技術は大幅に向上しているもので、初めて撮影した時には、その高機能に驚きを隠せませんでしたよ。
光学40倍ズームの威力
PowerShot SX730 HSは、アマチュア向きのコンパクトデジカメの中では、やや値段が高い機種です。
最近では、スマホのカメラの性能が良くなっているので、コンパクトデジカメをわざわざ買う理由がなくなってきていますが、PowerShot SX730 HSには、スマホには付いていない機能がいくつもあるので撮影していて楽しいです。
PowerShot SX730 HSは、ズームが最大40倍です。
この40倍ズームを使えば、はるか遠くの被写体も目の前にあるかのように撮影可能です。
下の写真は、京都御苑内の建礼門前大通りの黒木の梅が植えられている付近から、ズームを使わず広角で京都御所の建礼門を撮影したものです。
写真の中央に建礼門が写っているのですが、一目では、一体どこに建礼門が写っているのかわからないくらい小さいです。
でも、全く同じ場所から40倍ズームを使えば、こんなに大きく建礼門を撮影できます。
40倍ズームがどれくらいの望遠なのか、買う前はよくわかりませんでしたが、実際に使ってみると、その威力にびっくりしました。
これだけ大きく撮影できれば十分です。
ただ、40倍ズームを使うと、ブレやすくなります。
手ブレ補正を使っても、ブレることがよくありますね。
写真撮影をしている時に40倍まで拡大することは滅多にありませんが、10倍から20倍の間で撮影することはよくあります。これくらいだと、写真がブレることはほとんどありませんよ。
手持ち夜景モードはライトアップで大活躍
PowerShot SX730 HSは、「夜景に強いコンパクトデジカメ」という点も魅力的です。
京都の観光名所では、夜間特別拝観が行われるところがありますが、夜景をきれいに撮れないカメラだとライトアップされた風景を見たままに写すことが難しいです。
でも、PowerShot SX730 HSには、「手持ち夜景モード」が搭載されており、肉眼で見たのと大差ない夜景を写真に収めることができます。
下の写真は、北野天満宮の梅苑のライトアップを見に行った時に手持ち夜景モードで撮影したものです。
写真にざらざらしたノイズがありませんし、ブレてもいません。
薄暗い場所でも、芝生の緑と木々の影がはっきりとわかります。
同じく手持ち夜景モードで、ライトアップされた枝垂れ梅を撮影したのが下の写真です。
夜なのに枝1本1本が、枝先までしっかりと写っています。
手持ち夜景モードは、シャッターを押すと、「カシャカシャカシャカシャ」と連写が始まり、撮影した複数枚の写真を1枚に合成して、手ブレやノイズを軽減する仕組みになっています。
写真の合成には5秒くらいかかるので、短い間隔で何枚も撮影できませんが、それが苦になることはないと思います。
ちなにPowerShot SX730 HSのISO感度は、ISO80-3200です。
ISO3200なら、ほとんどの夜間撮影は肉眼に近い写りになりますから、ライトアップ時の撮影で困ることはそうそうないと思います。
また、PowerShot SX730 HSには、「絞り優先モード」もあり、広角側だとF3.3-F8.0の範囲でF値を設定できます。
夜間撮影時には、絞り優先モードにしてF値を低めにしても、きれいな写真が撮れますよ。
効果をつけて一味違った写真を撮る
PowerShot SX730 HSで、一味違った写真を撮影したい場合には、モードダイヤルを「SCN」に合わせるのがおすすめです。
下の桜並木は、オートで撮影したものです。
オートでも、きれいな桜を撮影できるので十分に満足できます。
下の写真は、「ソフトフォーカス」の効果をつけて撮影した桜並木です。
全体が、ぼやけた感じになり、柔らか味のある写真に仕上がります。
ぼやけた感じの効果は、調節可能ですから、好みに合った効果を選べます。
こちらは「極彩色」の効果をつけた桜並木の写真です。
写真全体に色が際立ちます。
はっきりとした色を出したい時に使えますね。
こちらは「トイカメラ風」の効果をつけた写真です。
写真の四隅が薄暗くなり、色合いを変えることができます。
暖色系や寒色系の色合いに設定することもできますから、四季に合わせて写真の雰囲気を変えることが可能です。
「オールドポスター」の効果をつけると、イラスト風の写真になります。
古い街並みを撮影する時に味のある仕上がりが期待できそうですね。
他にも、ジオラマ風、美肌、魚眼風、モノクロの効果をつけることもできます。
ちなみに下の写真は、「魚眼風」で枝垂れ桜を撮影したものです。
ペットの顔をドアップで写したい場合には、「魚眼風」を使うと良いでしょう。
PowerShot SX730 HSは、被写体に1cmまで近づいて撮影できますから、動物がカメラに接近してきてもピントを合わせやすいです。
水面に映り込んだ風景をくっきり撮影
川や池の水面に映り込んだ風景をきれいに撮影した写真を見たことはありますか。
あの写真は簡単に撮れそうなのですが、実際にやってみると水面への映り込みが弱い写真ができあがることがよくあります。
肉眼で見ると水面にくっきりと周囲の風景が反射しているけども、写真だと薄っすらとしか水面に写っていないんですよね。
春に勧修寺(かじゅうじ)に行った時、氷室池(ひむろのいけ)に映った観音堂と桜をオートで撮影したのですが、水面にあまり映り込みませんでした。
でも、先ほど紹介した「極彩色」にモードを変更して撮影すると、水面に周囲の風景がくっきりと映り込んだ写真を撮ることができました。
こちらも「極彩色」で撮影した川面に映る桜並木の写真です。
晴天だったこともあり、水面にはっきりと桜並木が映り込んでいます。
他のモードでも、リフレクションを試してみましたが、「極彩色」が最も水面への映り込みがきれいでした。
ただ、「極彩色」を使うと、水面に映っている風景はきれいなのですが、実際の風景が濃い色合いになり不自然に見えます。
絞りや露出を上手に設定すれば、不自然さを減少させることはできますが、限界がありますね。
背景をぼかした写真撮影
PowerShot SX730 HSは、コンパクトデジカメなので一眼のように背景をぼかした撮影は得意ではありません。
でも、光学40倍ズームをうまく使えば、被写体をくっきりさせて、背景をぼかした写真を撮ることができます。
上の写真だと、手前の菜の花にピントが合い、後ろの桜がぼけています。
PowerShot SX730 HSで背景をぼかした写真を撮るには、被写体から離れたところに立ち、ズームを使って被写体を拡大させるだけです。
絞り優先モードが背景をぼかしやすいですが、オートでもそれなりに背景をぼかすことはできます。
ちなみに被写体にレンズを近づけて撮影した場合には、背景はほとんどぼけません。
低いアングルからの撮影ができるチルト式液晶
PowerShot SX730 HSは、液晶を上方向に180度回転させることができるチルト式です。
チルト式液晶は、当初は自撮りをする場合しか使うことはないかなと思っていました。
ところが、PowerShot SX730 HSを使っていると、思っていた以上にいろんな場面でチルト式液晶が活躍することがわかりました。
例えば、低い位置にある物を撮影する時、わざわざ中腰にならなくても、液晶を90度回転させれば、立った状態で液晶を確認しながら撮影できます。
特に便利なのが、草花の撮影ですね。
例えば、チューリップは高さが30cmほどしかないので、見上げるような写真を撮ろうと思ったら、地べたに寝転ばなければなりません。
でも、チルト式液晶のPowerShot SX730 HSであれば、屈んだ状態で液晶を120度くらい動かせば、ローアングルから見上げたチューリップの撮影が可能です。
チルト式液晶が搭載されていないデジカメだと、匍匐前進しながらじゃないと、このような写真を撮るのは難しいですね。
最初は、チルト式液晶は必要ないと思っていましたが、今は、とても役立っています。
チルト式液晶ではない「PowerShot SX720 HS」もある
PowerShot SX730 HSは、チルト式液晶を採用していますが、チルト式液晶ではないPowerShot SX720 HSという機種もあります。
両者の仕様を見る限りでは、機能はチルト式液晶以外は同じみたいです。
モードダイヤルの位置が、PowerShot SX730 HSがカメラ上部右側にあるのに対して、PowerShot SX720 HSが液晶右側にある点も異なっていますが、機能はほぼ同じです。
私が、PowerShot SX730 HSを購入した時の価格は、税込でほぼ4万円でした。
PowerShot SX720 HSの価格は約3万円です。
1万円の価格差は、チルト式液晶の差と見て良いので、チルト式液晶は必要ないという方は、PowerShot SX720 HSを選ぶと良いでしょう。
PowerShot SX730 HSの後継機PowerShot SX740 HSが2018年に発売されました。
4K動画対応、新型エンジン搭載、そして、手振れ補正がより強力になっています。
全体的な機能は、PowerShot SX730 HSとほとんど変わっていませんが、望遠での撮影時に手ブレが発生しにくくなっているようですね。
カメラケースと保護フィルム
PowerShot SX730 HSには、専用のカメラケースもあります。
キャノンの純正品だと値段が約5千と少々値が張るのですが、kinokoo cameraのカメラケースだともっと安くで購入できます。
私は、PowerShot SX730 HSの色がブラックなので、カメラケースはブラウンを選びました。
カメラケースの色は、ブラックとコーヒーもあります。
PowerShot SX730 HSの色がシルバーなら、どの色のカメラケースを選んでもかっこいいと思います。
でも、カメラ本体がブラックの場合は、ブラウンかコーヒーのカメラケースがおしゃれだと思いますね。
このカメラケースは、ショルダーストラップが付いているので、カメラを首にかけたり、たすき掛けにかけたりして持ち歩くことができて便利です。
ハンドストラップだけだと、撮影のたびにカバンからカメラを取り出す手間がかかりますし、何よりカメラを落として壊してしまう危険もありますから、ショルダーストラップ付きのカメラケースは安全にカメラを操作するためにも持っていた方が良いです。
ちなみにkinokoo cameraのカメラケースは、2,150円で買いました。
PowerShot SX720 HSやPowerShot SX740 HSでも、同じカメラケースを使えます。
デジカメを買った時は、液晶に傷や汚れが付かないように保護フィルムも貼っておくことをおすすめします。
PowerShot SX730 HSは、液晶サイズが特殊なので専用の保護フィルムを買った方が良いです。
私は、HAKUBAから出ているPowerShot SX730 HS専用の液晶保護フィルムを715円で買いました。
専用の保護フィルムなので、当たり前ですが、サイズはピッタリでしたよ。
フリーサイズの保護フィルムを購入して、液晶サイズに切って貼ることもできますが、それが面倒だという方は専用の保護フィルムを選びましょう。
なお、PowerShot SX740 HSでも、PowerShot SX730 HSと同じサイズの保護フィルムを使用できます。
HAKUBAの保護フィルムには、液晶をきれいにする紙製のクリーニングシートが付属しているのですが、これが、レンズの汚れを取るのに非常に役立っています。
保護フィルムを液晶に貼った後も、クリーニングシートは残しておくことをおすすめします。
2ヶ月も使わずに水没させた
PowerShot SX730 HSの機能には、とても満足しており、楽しく写真撮影をしていたのですが、4月23日に梅宮大社の神苑拝観中に水没させました。
石橋を渡っていると、途中に穴があって、そこから右足が池に落ち、体勢を崩した時に1秒か2秒の間、カメラの液晶面を池に浸けてしまいました。
電源を切っていたので、カメラが動くかどうかを確認するためスイッチを入れたところ、とりあえず動作はしたのですが、レンズに水が数滴入ってしまい、その日は撮影不可能となりました。
この時、私は重大な失敗を犯してしまいました。
それは、カメラが濡れている状態でスイッチをオンにしたことです。
これは絶対にやってはいけません。
なぜなら、電化製品は、濡れている状態で電源を入れるとショートする危険があるからです。
ショートした電化製品は使用不可能になりますから、スマホやデジカメを水没させたときは、絶対に電源を入れてはいけません。
電源が入った状態で水没させた場合は、必ずすぐに電源を切りましょう。
また、水没させたデジカメからは、バッテリーやメモリーカードなど、付属品はすべて取り外してください。
そして、タオルやハンカチなどで、拭ける部分は全て拭き取り、デジカメの中に入った水が完全に乾燥するまではスイッチを入れてはいけません。
濡れたデジカメは、乾燥剤と一緒にジップロックなどに入れて乾燥するのを待ちます。
乾燥剤は100円ショップで購入できますし、ジップロックもスーパーやホームセンターで売っています。
私は、1袋に8個入っている乾燥剤を2袋買い、自宅にあった乾燥剤2個と酸化防止剤2個も加えてジップロックに入れ、カメラを3日間使わないようにしました。
ジップロックの中には、温度計も入れて湿度管理もしました。
湿度は10度未満を常に維持するようにしました。
針が0度を振り切ることもありましたよ。
これでデジカメの乾燥はできるのですが、ネットで調べていると、一度水没させるとデジカメの中の金属が錆びたり腐食したりすることもあるとわかったため、使い捨てカイロもジップロックに入れて錆を防止することにしました。
金属の錆は、濡れた状態で酸素とくっつくことでできます。
そこで、使い捨てカイロというわけです。
使い捨てカイロは、鉄に酸素が触れると温度が上がる仕組みですから、ジップロック内に使い捨てカイロを入れておけば、酸素が使い捨てカイロにくっついて、デジカメの金属にくっつくのを防げるだろうと考えました。
効果があるかどうかわかりませんが、使い捨てカイロは1個20円くらいのものですから、カメラの値段と比較したら微々たるものです。
乾燥剤も大した値段ではありませんから、ケチケチせずに30個でも40個でも買ってきてジップロックの中に入れておきましょう。
使い捨てカイロをジップロックに入れる際は、外袋の四隅をハサミで切っておきました。
外袋からカイロを取り出してジップロックの中に入れても良さそうですが、カイロがデジカメに触れると、何か不具合が出るかもしれないと思って、外袋の四隅を切った状態でジップロックに入れることにしました。
その後、私のPowerShot SX730 HSはどうなったのでしょうか?
3日間乾燥させたことで、なんとか復活しましたよ。
さらにその後もジップロックの中で乾燥させ続けて、水没から7日後に試し撮りをしました。
PowerShot SX730 HSは、問題なく動くようになりました。
水没直後は、ピーピーと音が鳴ったり、一時的に電源が入らなくなったりしましたが、完全に乾燥させたら動作に問題は出なくなりました。
ただ、レンズに汚れが残り、逆光での撮影時に汚れが写真に写るようになりました。
順光だと汚れは目立ちませんが、広角で青空を写すと汚れがわかります。
少し望遠にすると、汚れがフレームの外に移動してくれるので、ズームを使った撮影なら問題はないです。
現在も、PowerShot SX730 HSは、乾燥剤と一緒にジップロックの中に入れて保管しています。
カメラは湿気に弱いですから、水没させてなくても、乾燥剤と一緒に保管しておくことをおすすめします。
冬場はレンズが結露することもあります。
結露に気づかず、電源を入れてショートさせてしまうこともあるでしょうから、カメラの保管は湿気対策をしておいた方が良いですよ。
とりあえず、PowerShot SX730 HSが水没から復活して良かったです。
いつまで使えるかわかりませんが、気に入っているカメラなので、故障した場合はまたPowerShot SX730 HSを買おうと思っています。
ちなみに水没させたカメラは、保証期間中であっても修理不能となる可能性が高いです。
また、修理できても有償になると、購入した電気店で言われたので、水際での写真撮影は慎重に行いましょう。
ビックカメラだと、5万円未満の電化製品は500円を支払うと全損保証に加入でき、1年以内に購入品が修理不能になった場合に新品と交換してもらえます。
お近くにビックカメラがある方は、デジカメのように持ち運びする電化製品を買う場合は全損保証に加入するのが無難ですね。
追記
- 2023年6月23日追記
PowerShot SX730 HSの水没から約5年経過しました。まだ十分使えています。 - 2022年5月16日追記
PowerShot SX730 HSの水没から約4年経過しましたが、今でも現役でがんばっています。 - 2021年4月21日
PowerShot SX730 HSの水没から約3年経過しましたが、問題なく使用できています。 - 2019年4月22日
PowerShot SX730 HSの水没から約1年経過しましたが、問題なく使用できています。デジカメを水没させたら、諦めず、まずはしっかりと乾燥させましょう。