前回の記事では、菊水鉾と放下鉾の辻回しの様子をお伝えしました。
祇園祭の山鉾巡行というと、大きな鉾ばかりに注目が集まりますが、山を見るのもなかなか楽しいものです。
どちらかというと、山の方が、それぞれに趣向を凝らしているように見えるんですよね。
山の回転
場所は四条河原町。
菊水鉾の辻回しが終わったとに交差点に入ってくるのは、芦刈山です。
祇園祭の案内によると、芦刈山は、妻と離れて難波の浦で芦を刈る老翁が妻と再会を果たす夫婦和合の姿をあらわしたものだとか。
鉾が、方向転換するときは、道路に板のようなものをたくさん敷いて、少しずつ回転させていきますが、山は、担ぎ手が持ち上げてぐるっと1周してから、河原町通を北に進んでいきます。
芦刈山がぐるっと回転。
たくさんの観覧者の拍手が交差点にこだまします。
次に交差点に入ってきたのは、白楽天山です。
唐の詩人白楽天が、道林禅師に仏法の大意を問うところををあらわしています。
白楽天山も無事に回転を終えて河原町通へ。
続いて、木賊山(とくさやま)の登場です。
木賊山は、わが子をさらわれてひとりで木賊を刈る翁をあらわしているとのこと。
木賊山も回転し始めました。
無事方向転換して、北へと進んでいきます。
交差点の手前で待機する鉾と山
四条河原町の交差点から今度は四条通で交差点への進入を待機している鉾と山を見に行くことに。
途中、高島屋の入口付近を通ると天井からミストが噴き出していました。
夏真っ盛りですからね。
ミストが下に向かって出ているだけでも、随分と涼しく感じます。
地下に下りて四条通の北側に回ってみると、船鉾(ふねほこ)が目の前で待機していました。
鉾全体が船の形になっています。
他の鉾とは違った姿をしていますね。
まるで大海原を進んでいるようです。
鉾の上には、神后皇后と三神像を祀っているとのこと。
しばし近くのお店で休憩した後、再び四条通に戻ってくると、浄妙山が待機しているところでした。
浄妙山は、なかなか迫力があります。
2体の人形が宙を舞う姿がなんとも勇ましいですね。
この2体の人形は、筒井浄妙と一来法師です。
平家追討に立ち上がった源頼政とともに宇治橋で平家軍と戦った法師武者ですね。
橋の上で、平家軍が射る矢を薙刀で斬りおとしたり、跳びまわったりして交わす姿が再現されています。
浄妙山の後ろで待機するのは、役行者山(えんのぎょうじゃやま)です。
役行者は修験道の祖ですね。
山は、葛城と大峰の間に石橋をかけたという伝承にちなむものだとか。
この後にも山と鉾が続くのですが、今年の祇園祭の観覧はここで終了しました。
全部を見るとなると、結構な時間になりますから、ある程度見たところで切り上げました。
祇園祭は最初から最後まで見なくても、山や鉾をいくつか見るだけでも十分に楽しめますよ。
また来年も見に来たいですね。