8月中旬に京都市右京区の天龍寺を拝観した際、塔頭(たっちゅう)の慈済院にもお参りをしました。
普段は天龍寺に訪れても素通りすることが多い慈済院なのですが、門前に真っ白なフヨウの花が咲いていたので立ち寄った次第です。
真っ白なフヨウの花
慈済院は、天龍寺の総門をくぐってまっすぐに進み、弘源寺を過ぎた辺りに建っています。
山門がなかなか珍しい形をしていますね。
竜宮門のように見えますが、ちょっと違うような気もします。
この珍しい山門の左側に真っ白なフヨウが咲いています。
純白のフヨウの花は、とても爽やかです。
この日は、とても暑かったのですが、真っ白なフヨウの花は暑さを感じていないのか、涼しげに見えます。
空を向いて咲くフヨウの花は、むしろ夏の日差しを求めているようですね。
水摺福壽辨財尊天
山門をくぐって境内にも入ってみましょう。
奥には本殿が建っています。
本殿に祀られているのは水摺福壽辨財尊天です。
この辨財尊天は、天龍寺開山の夢窓国師が彫ったと伝えられており、開運出世大辨財尊天と尊称されているそうです。
しっかりとお参りをして開運出世のご利益を授かりましょう。
お寺の説明書には、「新水吉日を卜として、香水を以って尊影を浄写し『巳成金の日』の大祭に抽籤により篤信者に謹呈す故に水摺福壽辨財尊天と通称し奉る」と書かれていました。
ちなみに慈済院は、天龍寺七福神めぐりのひとつです。
本殿にお参りをした後、天井を見上げると龍の絵が描かれていました。
天井に龍が描かれたお堂は、南禅寺や大徳寺など、禅寺のお寺でよく見かけます。
天龍寺も禅寺なので、その塔頭の慈済院も天井に龍を描いたのでしょうか。
作者は、里見米庵です。
天井から睨む龍は、迫力がありますよ。
フヨウの花に引き寄せられて立ち寄った慈済院でしたが、水摺福壽辨財尊天にお参りできたり、龍の天井画を見れたりと、なかなか興味深かったです。
訪れる人も少なく、静かに参拝できましたよ。
開運出世のご利益を授かりたい方は、天龍寺拝観のついでに慈済院にも立ち寄って水摺福壽辨財尊天にお参りすると良いでしょう。
その時は、龍の天井画も忘れずに見ておきたいですね。
それにしても暑い日でした。
山門から出た後、もう一度真っ白なフヨウの花を見て、気持ちだけでも涼しくして天龍寺の庭園に向かいました。
夏は、濃い色の花よりも薄い色の花を見る方が、清涼感がありますね。