織田、豊臣の安土桃山時代から行列は室町時代へと続きます。
以前の時代祭では、室町時代はなかったのですが、平成19年(2007年)から新たに加わることとなりました。
まだ、できて間もない行列なので、衣装はとてもきれいでしたよ。
室町幕府執政列
室町時代と書かれた紫色の旗が風に揺られています。
その後ろから室町幕府執政列が登場。
室町幕府執政列は、当時の武士の姿をした人々で構成されています。
中心となるのは足利将軍と室町幕府の政治を担当していた三管領四職(さんかんれいししき)と呼ばれる主要氏族です。
最初に登場するのは、伊勢氏。
馬に乗った武者姿が勇ましいですね。
この時代の甲冑は、鎌倉時代や平安時代の時と同じような感じで、鉄砲が伝来した後の安土桃山時代の甲冑とは違っています。
伊勢氏の次は、足利将軍の登場です。
他の氏族は、甲冑を着ているのですが、足利将軍は軽装です。
兜までしっかりとかぶっているのが細川氏。
この行列では、細川氏が最も勇ましい姿をしていました。
細川氏の後には、山名氏、二階堂氏と続いていきます。
室町洛中風俗列
室町幕府執政列が過ぎると、室町洛中風俗列がやってきます。
室町時代は、応仁の乱など何かと社会が混乱する出来事が起こっていたのですが、町衆と呼ばれる庶民が元気だった時代でもあります。
茶の湯が流行し始めたのも、この時代ですね。
室町洛中風俗列の最初に登場したのは、洋服を着た人でした。
この人は何者かと思ったら、南蛮人でした。
西洋諸国との交流が始まったのも室町時代でしたね。
ちなみに南蛮人は、2011年が初登場です。
南蛮人が過ぎると、色とりどりの衣装を着た派手な行列が現れます。
この行列は、当時の風流踊りを再現したものです。
風流踊りは、京都から全国各地に広まりました。
江戸時代以降の盆踊りの原型は、この風流踊りだと伝えられています。
風流傘には、様々な装飾が施されています。
派手な傘に派手な衣装。
昔から庶民は、政治に翻弄されながらもたくましく生きていたんですね。
行列が目の前で止まり、笛や太鼓に合わせて踊りが始まりました。
踊りが終わると観覧者たちからたくさんの拍手が起こっていましたよ。
室町幕府は、足利尊氏が開いたわけですが、戦前までは、朝廷を南朝と北朝に分断した悪者という扱いを受けていました。
平成に入るまで、室町時代の行列が時代祭に登場しなかったのは、こういった理由があったのかもしれませんね。