江戸時代の行列が過ぎた後は、安土桃山時代の行列です。
安土桃山時代は、織田信長と豊臣秀吉の時代。
安土は織田信長の居城の安土城があった場所で、桃山は豊臣秀吉の居城の伏見城があった場所です。安土桃山時代という名は、ここから付いたわけですね。
豊公参朝列
安土桃山時代の最初は、豊公参朝列です。
豊公参朝列は、豊臣秀頼が慶長元年(1596年)に朝廷に初参内(さんだい)した時の様子を表現しています。
五奉行の前田玄以、石田三成、浅野長政、増田長盛、長束正家(なつかまさいえ)が登場します。
豊臣秀頼はどこにいるのかというと、下の写真に写っている牛車の中です。
外からだと、牛車の中に人がいるのかどうかは確認できませんが、この牛車が秀頼ということになっています。
時の権力者豊臣秀吉の子の秀頼の初参内というだけあって、衣装は派手なものが多めです。
馬もとても大きいですね。
脚が太かったので、サラブレッドではないようです。
織田公上洛列
豊公参朝列から30年ほど時代を遡ります。
永禄11年(1568年)に織田信長が上洛した時の模様を再現したのが織田公上洛列です。
100年続いた戦国時代は、京都にも大きな打撃を与えました。
上洛した信長は、戦乱で荒れた京都を復興します。
行列の先頭は、信長を出迎えた立入宗継(たていりむねつぐ)で、その後に金色の千成瓢箪が続きます。
千成瓢箪は、豊臣秀吉の馬印で、戦に勝つたびに瓢箪の数を増やしていったと伝えられています。
その千成瓢箪の次に登場するのが、若き日の秀吉、つまり、羽柴秀吉です。
秀吉に続いて丹羽長秀が進み、そして、織田公上洛列の主役ともいうべき織田信長の登場です。
写真が小さくなってしまいましたが、一番左に写っているのが織田信長です。
信長の後には、大きな三日月の兜をかぶった滝川一益が現れました。
滝川一益の衣装は、今回、新調されたものだとか。
落馬するアクシデントもあったようですが、大事には至らなかったようで、一安心です。
織田公上洛列の最後は、柴田勝家が締めくくります。
柴田勝家は、信長の死後、秀吉と対立し、戦いに敗れ自害しました。
彼の妻は、お市の方で、娘の淀君は、後に秀吉の妻となり秀頼を生むことになります。
安土桃山時代の行列は、勇ましい甲冑姿の武将が多く登場するのが特徴的です。
この時代の甲冑は当世具足(とうせいぐそく)と呼ばれ、鉄砲から身を守るために鉄板が各部に用いられています。
安土桃山時代以前の甲冑とは、違っていますので、そのあたりを見比べるのも時代祭の楽しみ方のひとつですね。